CEATECではロボットも注目される分野の1つである。販売目的のものから技術デモンストレーション用まで、CEATECには毎年さまざまなロボットが出展されるが、本レポートではその中から、いくつか面白かったものをピックアップして紹介したい。
セイコちゃんが極細のS字平均台にチャレンジ!
もはや"CEATEC名物"とも言えるのが村田製作所の「ムラタセイサク君」と「ムラタセイコちゃん」だ。胴体に内蔵したホイールの回転で左右のバランスを取る自転車型ロボットと一輪車型ロボットで、不安定な乗り物なのにピタリと静止して見えるほどの安定感が持ち味。同社の電子デバイスが多数搭載されており、技術力のアピールになっている。
セイサク君の衝撃のデビューは2005年、セイコちゃんは"いとこ"として2008年に初登場した。毎年、工夫を凝らしたデモステージで楽しませてくれる同社であるが、今年はスポーツの競技会という舞台設定。セイサク君とセイコちゃんのペアがそれに出場する…というシチュエーションだった。
セイサク君とセイコちゃんの"2010年モデル"の改良点は以下の通り。
セイサク君は、外見こそほぼ変わらないものの、省エネ技術をふんだんに取り入れて「Type ECO」に進化した。待機時にはスタンバイモードに入り、赤外線センサの検知で復帰。省電力型のBluetoothモジュール(消費電力は従来の1/10だという)を追加して、消費電力やバッテリ残量などのステータスを送信、リアルタイムで画面に表示できるようにした。そのほか、ワイヤレス電力伝送システムも新たに搭載している。
セイコちゃんのハードウェアは昨年とほぼ同じ。しかし、左右方向の移動を高度に制御できるソフトウェアを追加したことで、初めてS字平均台の走行が可能となった。このS字平均台の幅は25mmしかなく、内輪差がどうしても発生するセイサク君では絶対に不可能。一輪車のセイコちゃんならではの技と言えるだろう。ちなみにセイコちゃんにはもう1つのホイールが水平に内蔵されており、その反力によって左右の向きを変えている。
同社のブースはホール6の一番奥。デモンストレーションは毎時30分から開始される予定だが(1日7回)、大変な混雑が予想されるので、前の方で見たければ早めに行って待つのがいいだろう。