Texas Instruments(TI)は、ARM、Linux、システム開発者向けに、ソフトウェア・開発ツール「C6EZRun(シーロク・イージーラン)」および「C6EZAccel(シーロク・イージーアクセル)」を発表した。いずれもすでに無償ダウンロードが同社Webサイトより可能となっており、現時点でC6000ベースのDSP+ARMプロセッサをサポートしており、将来的には浮動/固定小数点処理の次世代DSP+ARMデバイスのサポートも予定しているという。
これらのツールを使うことで、ARM開発者は容易にDSPのプログラミングが出来るようになるため、開発プロセスが簡素化・短縮され、DSP開発の開始時期や市場投入期間、開発コストの削減につながると同社では説明している。
"C6EZRun"により、ARM開発者は、現行のARMアプリケーションを、ARMコードを書き換えたりDSPアーキテクチャを学んだりといった必要なく、DSPに容易に移植することが可能となる。DSPコアとARMコアの間のコード分割により、ARMコアの負担が軽くなり、信号処理の比重が高いアルゴリズムをDSPに効率的に振り分けるため、システム全体としての性能向上も実現できるほか、ARMからDSPへのコード分割を効率的に行えるため、特定のアルゴリズム群の処理性能では10倍の向上が見込めるという。
一方の"C6EZAccel"は、既存のDSPソフトウェアを使って開発期間を短縮したいエンジニア向けに、130種以上の、最適化された、すぐに使えるDSPカーネルへのフレームワークを提供する。このためエンジニアは開発中のアプリケーションにDSP機能を追加し、TIのビデオ、オーディオ、音声コーデックを使用することで、製品を差別化することが可能となるという。
こうしたツールの活用により、DSPを活用したリアルタイム性の高い信号分析やアルゴリズム処理といった機能をアプリケーションに追加できるようになるため、たとえばオーディオシステムへのデジタル・ルーム補正機能やビデオシステムへの人数計測機能、電力計システムへの電力測定/分析機能などのDSP機能を各種アプリケーションへ追加することが容易となる。