ルネサス エレクトロニクスは、デジタルカーオーディオや、デジタルオーディオなどのLCD付き車載・民生・産業機器などに向けて、システムの高機能化かつ小型化を実現する32ビットマイコン「SH7268」「SH7269」2製品を発表した。2011年1月よりサンプル出荷を開始、サンプル価格はSH7268が2400円から、SH7269が2600からとなっており、2011年10月より月産50万個規模で量産出荷を開始する予定。
2製品ともに、32ビットRISCマイコン「SuperHファミリ」のCPU「SH2A-FPU」とオーディオ用の周辺機能を搭載した「SH7260」シリーズの上位展開品。
従来品「SH7266」から約1.7倍に大容量化した2.5MBのSRAMを内蔵したことで、WVGAサイズ(800×480画素)の画像を外付けSDRAM無しで表示(フレームバッファとして使用)可能である。また、SRAMはプログラム格納用やワークメモリとしても利用可能で、メモリ空間を6ページに分割しているため、複数バスマスタから各ページへの同時アクセスも可能となっている。
また、大容量SRAMへの高速アクセス(1サイクルアクセス)やデジタルオーディオ信号処理などの高速化を実現するためCPUの最大動作周波数もSH7266比で約1.8倍となる266MHzに高速化。これによりSRAMをプログラム格納用に用いた場合、CPU性能を最大限に引き出すことが可能となり、音楽再生中であっても音声による操作やハンズフリー電話向けノイズ除去処理などが可能となる。
さらに、 高度な2Dグラフィックス表示向けに組込機器向けグラフィックス処理用プログラミングインタフェース(Application Programming Interface:API)であるOpenVG1.1 準拠2Dグラフィックスアクセラレータを搭載。JPEGコーデックを内蔵しており、画像データの圧縮およびJPEGデータの復号を容易に行うことができる。加えて、画像および動画出力用に、最大WVGAサイズのフルカラー表示(約1677万色)が可能なデジタルRGB出力端子も搭載している。
なお、2製品はCANインタフェースの有無で、SH7268で2品種、SH7269で4品種が用意されているほか、動作周囲温度が-40℃~+85℃の製品と、-20℃~+85℃の製品を用意しており、合計で12型名がラインアップされている。