米Microchip Technologyは、グリッド接続を前提とした太陽光発電向けデジタルインバータのリファレンスキットを発表した。
当初は小規模なものから始まった太陽光発電は、昨今では大規模な量産状態になっており、これにあわせて要求も変わってきている。昨今の太陽光制御システムでは、よりエネルギー収集効率を高めると共に、装置のインストレーションコストを抑え、かつ標準化と高信頼性を確保することが求められるようになってきている。今回発表されたリファレンスキットは、デジタル電源制御を用いることでこれに対応した。
キットには同社のdsPIC33F "GS"シリーズのデジタル電源DSC(Digital Signal Controller)が搭載される。このキットは標準的な太陽光発電パネルならばどんなものにも接続でき、パネルから出力されるDC出力を、発電グリッドへの送出に必要なAC出力に変換できる。実際のアプリケーションでは、必要な出力を確保するために、複数のモジュールを結合して利用されることになると思われる。
今回のキットは、さらに以下の様な特徴を持つ。
- ピーク効率95%
- 力率0.95以上
- 出力電圧歪率3%未満
- MPPT 99.5%
- 夜間の消費電力は1W未満
- グリッドのダウン時のIslandingに対応
- 完全デジタル制御
リファレンスキットは任意の太陽光発電パネルと接続でき、110Vないし220Vの電圧で最大220Wまで出力できる。この電圧の違いはdsPIC33F "GS"への設定で変更が可能である。
このキット向けの完全なドキュメントとソフトウェア、設計図およびアプリケーションノートは同社のWebサイトから入手できる。