英国国立公文書館は9月30日(英国時間)、英国政府・公共機関のデータに適用するライセンス「Open Government Licence(OGL)」を発表した。政府データを許可なしに再利用できるようにするもの。アプリケーションやWebサイトでの利用を奨励することで、経済活性化を図る狙いだ。

OGLは、これまで英国印刷庁(HMSO)で取得が必要だった「Click-Use Licence」に変わるもので、政府や公共機関のデータを再利用するにあたっての障害を取り除く目的を持つ。Creative Commonsなどのライセンスモデルと互換性があり、シンプルさと柔軟性が特徴。同ライセンスによりこれまで政府データの利用に必要だった登録や申請作業が不要となり、開発者らは政府や公共機関のデータを再利用してアプリケーションやサービスを開発、提供できる。イングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズの政府・地方政府、公共団体に適用される。

新ライセンスは、一部公共期間のデータを利用してアプリ開発を促進する「data.gov.uk」ですでに利用されている。ケンブリッジ大では、公共セクターの情報の再利用による経済効果を60億ポンド(約7871億円)と試算している。

World Wide Webを考案し、英国政府による公共機関の透明性のための取り組みに参加しているTim Berners-Lee氏は、「(OGLは)英国政府が、世界的に進行しているオープンなデータという革命の先頭に立っていることを示すもの」と述べ、「創意に富む人々が革新的な新しいアプリケーションやWebサイトを開発し、人々の日常生活を支援できるだろう」とコメントしている。