東レは、光学用フィルムの追加増産を決定したことを発表した。液晶ディスプレイ(LCD)の反射板、偏光板、タッチパネル用のポリエステル(PET)フィルム「ルミラー」と、表面保護用の自己粘着性ポリエチレンフィルム「トレテック」を中心に生産設備を増設、2012年8月までに供給能力を増強する計画。
フィルム生産設備の増設/改造の対象となるのは、同社三島工場と岐阜工場、東レフィルム加工(TAF)中津川工場および韓国Toray Advanced Materials Korea(TAK)亀尾工場で、2012年8月までに反射板、タッチパネル向けの供給能力を現有比倍増、偏光板および表面保護フィルムを5割増強する計画。また、TAKでは、ベースフィルムに加えてフィルム加工設備も増設し、2012年1月までに加工能力を3割増強する計画。
東レでは、現在、FPD関連市場の旺盛な需要に対応して、光学用フィルムの最適生産体制の構築を進めており、2011年からは韓国で反射板用フィルムの現地供給体制を確立する計画。また、同年夏にはTAKで拡散板、プリズムシート用フィルムの供給能力を倍増する他、中国の儀化東レポリエステルフィルム(YTP)においても現地生産を開始する計画としていた。
今回のさらなる増産について東レでは、FPD関連市場の中期的な成長拡大を見据えて、光学用フィルムの安定供給を維持するために実施するものとしており、設備投資額としては約220億円規模となるとしている。