Texas Instruments(TI)は、同社低消費電力マイコン「MSP430」の新製品として、0.9V完全駆動マイコン「MSP430L092」を発表した。最大2KBのRAMもしくはROMを搭載することが可能な3製品をラインアップ。量産用途に応じて選択することが可能となっている。すでに供給を開始しており、1万個ユニット時の単価(参考価格)は0.85ドルとなっている。
同製品はアナログおよびデジタル・ロジックの回路全般が0.9Vで完全駆動するため、ブースト・コンバータ(昇圧コンバータ)をボード上に搭載する必要が無くなり、システム全体の電力消費量を低減、かつ従来の設計で必要であった外部回路を削減することが可能だ。アクティブ時に45μA、立ち上がり時間は5μs以下であり、0.9V駆動と合わせることで、電動歯ブラシや電動カミソリ・玩具・セキュリティ機器など単4乾電池やボタン型乾電池などの単1セルの電池で動かす際の寿命を伸ばすことが可能となる。
5つの異なるペリフェラル(周辺回路)として設定できるプログラミング可能なアナログ回路で、逐次指示なく連続して動く「アナログ・ファンクション・プール(A-POOL)」を搭載。これにより、A/Dコンバータ(ADC)やD/Aコンバータ(DAC)、SVS(電圧監視IC)、温度センサ、コンパレータとして機能させることが可能となり、外部コンポーネントを不要とし、システム全体のBOMコストを削減 することが可能となる。
なお同製品には無料ソフトウェア、アプリケーション・ノートやコード・ライブラリ一式、コミュニティによるサポートに加え、新たなツールキットが用意されており、開発者は容易に性能を引き出すことができると同社では説明している。