オープンソースのオフィスアプリケーション「OpenOffice.org」を開発するOpenOffice.org Communityは9月28日、新しい独立組織「The Document Foundation」を設立したと発表した。今後は新組織でフリーのオフィスアプリの開発とプロモーション活動を行う。
OpenOffice.orgは、米Sun Microsystemsが買収した独StarDivisionで開発されていたオフィスアプリに起源をたどる。Sunは「StarOffice」として提供する一方、オープンソース版を開発するOpenOffice.orgプロジェクトに出資し、OpenOffice.orgは無償公開されてきた。Sunは2010年1月、米Oracleにより買収されている。
今回の組織変更の理由については、プロジェクト発足から10年が経過し新しいフェイズに入るにあたり、創業時のcharter(憲章)に明記された独立性を達成することを挙げている。「民主的な組織が所有・管理する独立したコミュニティを立ち上げることが最善と判断した」と説明している。コミュニティが開発に参加する障壁を低くし、ユーザーが増えるように組織体形も組みなおす。
OpenOffice.orgの商標はOracleが所有していることから、ソフトウェアの名称も「LibreOffice」となる。すでに公式Webサイトには、LibreOfficeのベータ版(Windows、GNU/Linux、Mac OS X)とソースコードが公開されている。ライセンスはLGPL。
なお、OracleにはThe Document Foundationのメンバーとなるよう招待しており、現在返事待ちとのことだ。
The Document Foundationの立ち上げには、Free Software Foundation(FSF)、GNOME Foundation、Open Source Initiative(OSI)、英Canonical、米Google、米Red Hat、米Novellなどの組織や企業が賛同を寄せている。