シスコシステムズは9月28日、同社が提供するデータセンター向けソリューション「ユニファイド ネットワーク サービス」「ユニファイド ファブリック」「ユニファイド コンピューティング」における新製品を発表した。これら3つはシスコが提唱するフレームワーク「Cisco Data Center Business Advantage」を構成する3つの柱となるアーキテクチャで、今回発表の新製品も同フレームワークを強化し、顧客のIT投資、とくにデータセンター仮想化に対する投資をビジネスの収益性向上につなげることを目的とする。また、新製品と同時に、関連する技術サービスの提供も開始する。
シスコの提唱する「Cisco Data Center Business Advantage」のしくみ。ユニファイド ファブリック(UF)、ユニファイド コンピューティング(UCS)の2つのラインに加え、あたらしくユニファイド ネットワーク サービス(UNS)が加わった。今回発表の新製品は、UNSポートフォリオに含まれるソフトウェアが中心 |
今回発表された新製品は以下の通り。
Cisco Virtual Security Gateway(Cisco VSG)
ユニファイド ネットワーク サービスに含まれるソフトウェアアプライアンス。ゾーニングにより仮想マシンレベルでセキュリティを提供、データセンター内でVLANをまたいだセキュリティゾーンを構築できる。Cisco Nexus 1000V上でソフトウェアとして実行可能。11月提供開始予定。
今回の目玉製品のひとつがCisco VSG。複数のVLANをまたいで、ポリシーごと、つまりは業務ごとに仮想マシンをゾーニングすることが可能だ。ハードウェアアプライアンスだけでは限界があった拡張性を大きく変えるものとして注目される。とくにマルチテナントのデータセンター運営にはメリットが大きい |
Cisco Virtual Network Management Center(Cisco VNMC)
ユニファイド ネットワーク サービスに含まれるソフトウェアアプライアンス。Cisco VSGのセキュリティポリシーを一元管理する。11月提供開始。
Cisco virtual Wide Area Application Service(Cisco vWAAS)
ユニファイド ネットワーク サービスに含まれるソフトウェア。既存製品のCisco WAASをクラウド型に最適化したサービス。仮想データセンターにおける冗長性を実現する。たとえば新たに仮想マシンが追加された場合でも、自動的にWAN最適化サービスが適用される。11月提供開始。
Cisco Nexus 5548スイッチ
ユニファイド パブリックに含まれるスイッチ製品(Cisco Nexus 5500シリーズ)。48ポートの1ラックユニット。ファイバチャネルをネイティブサポート。レイヤ2に加え、レイヤ3およびファブリックパスに対応し、スケーラビリティが大幅に向上している。9月提供開始。
Cisco Nexus 2224TP 1GE Fabric Extender
ユニファイド パブリックに含まれる、Cisco Nexus 5000用の新FEXオプション(Cisco Nexus 2000シリーズ)。24ポートの1ラックユニット。100Mおよび1Gをサポートし、10GE×2のアップリンクポート搭載。低密度サーバラック用。9月提供開始。
Cisco UCS B230 M1ブレードサーバ
ユニファイド コンピューティング(UCS)に含まれるブレードサーバ。ハーフシャーシにIntel Xeon 6500/7500を選択搭載可能で最大16コアまで対応。SSDも搭載可能。メモリは512GBまで対応予定。最近行われたアプリケーションベンチマークテストで9つの性能における世界記録を更新。10月提供予定。
同社 専務執行役員 データセンター事業統括 石本龍太郎氏は「仮想化、クラウドコンピューティングの急激な普及で、データセンターに求められる要件も大きく変わりつつある。データセンターの仮想化が進めば進むほど、拡張性、柔軟性に富んだ技術が優位性をもつ。今回提供を開始する製品を含む3本の柱で構成されるCisco Data Center Business Advantageは、変化の激しい現在において、顧客に対し新しいビジネスチャンスや収益源を提供する基盤となるもの」としている。