日本ヒューレット・パッカードは9月28日、ミッションクリティカル環境向けストレージ「HP StorageWorks P9500 ディスクアレイ」(以下、StorageWorks P9500)を発表した。
日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 ストレージワークス事業本部 製品マーケティング本部 諏訪英一郎氏 |
同製品は、これまで「HP StorageWorks ディスクアレイ XP 20000」および「同 24000」という名称で提供されていたハイエンドストレージの後継製品。ブランド名を「HP StorageWorks XPファミリ」から「HP StorageWorks P9000ファミリ」へと変更し、XP 20000/24000の両機種が対象としていた領域を広くカバーする製品としてリリースしている。
StorageWorks P9500では、アプリケーション毎に優先度付けが可能なQoS機能「APEX」を搭載。各アプリケーションに対して優先度を割り振っておくと、サーバとの間でやり取りされるI/Oパケットに対して優先度情報がタグ付けされ、StorageWorks P9500内でタグ情報に応じたリソースが割り当てられる仕組みで、「サーバだけでなくストレージにおいてもリソースの優先確保が実現できるため、エンド・ツー・エンドでQoSを担保できる」(日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 ストレージワークス事業本部 製品マーケティング本部 諏訪英一郎氏)という。
また、利用頻度に応じてデータの格納先を自動的に変更する管理機能「Smart Tier」も追加されている。こちらは、データの利用頻度を判定し、各データを高速SSDの「Tier0」、多目的HDDの「Tier1」、低コストHDDの「Tier3」のどこに格納すべきかを決定したうえで、必要に応じてデータの移行も自動的に実行するというもの。Smart Tierで取り扱うデータの単位を「セクション」というかたちでユーザーが任意に決められる点も大きな特徴で、諏訪氏は「通常、データ格納場所の変更はボリューム単位で行うため、ごく一部のデータのみ利用頻繁が高いようなケースでは移行の判定が難しいなどの問題が生じていたが、今後はそういった点を一切気にする必要がなくなる」と解説した。
そのほか、プロビジョニングの精度を向上させたほか、管理ツールのGUIを刷新、34%の省スペース化、40%の省電力化も行われている。加えて、99.9999%の稼働率や、ホットスワップ対応などにより一度起動したらそのまま使い続けられる"Boot Once"といった特性も前機種から引き継がれている。
価格は3280万2000円。9月28日より販売が開始される。また、11月1日からは、日本ヒューレット・パッカードの市ヶ谷本社にて実機およびデモが見られる「P9500体感センター」も開設される予定。