富士通は9月27日、サーバやストレージ、ネットワーク、セキュリティ機能などのICTインフラを時間単位の従量課金制で企業に提供するクラウドサービス「オンデマンド仮想システムサービス」を10月1日から提供開始すると発表した。
同サービスは「設計の簡易化」「オンデマンド」「セルフサービス」「安全性・信頼性」の4つが特長とされている。とりわけGUIによる簡単な運用がユーザーサイドで行えることと、「99.99%」というサービスレベル(SLA)が一般的なクラウドサービスとの大きな違いとなっている(SLAは「99.95%」が一般的とされる)。この高いサービスレベルは、サーバやストレージ、ネットワークなど、「システムのすべての要素において標準で冗長構成となっている」(同社 クラウドビジネスサポート本部 本部長 岡田昭広氏)ことなどによって実現される。
「オンデマンド仮想システムサービス」の利用形態は、同サービスのポータルにログインして利用するテンプレート(サーバやストレージの台数など)を選択。選択したテンプレートを仮想システムとして設定する(構成は後で変更することも可能)。
設定完了後はSSL-VPN接続にて仮想マシンにログインし、通常のWebサーバなどと同様に環境の構築を行える。
同サービスの価格は25円/1時間(1仮想サーバ、「エコノミ」タイプの場合。月額1万7856円)~で、標準で24時間365日対応のメールサポートが付属するほか、有償となるが24時間の電話サポートも提供される。
同サービスは2010年5月から200社に対してすでにトライアル提供されており、「通常は数ヵ月は要するようなICTインフラの構築を、数日で実現できることが証明された」(岡田氏)という。10月からの正式サービスには、このトライアル期間中に集約されたユーザーの意見が反映されている。
同社はクラウドサービス全体の2011年度における売上目標を4000億円(国内:3000億円、海外:1000億円)に設定しているが、岡田氏は「オンデマンド仮想システムサービス」については「そのうちの10%程度は狙いたい」という考えを示した。