本稿では先週、0.9.11にバージョンアップされたiPhone用無料Twitterクライアント「TweetMe for iPhone」(以下、TweetMe)の使用感をレポートする。以前紹介したTwitBird free(以下、TwitBird)と比較しつつ行いたい。TweetMeのダウンロードはAppStoreから行える。

アカウントの登録

まずはアカウントの登録である。TwitBirdでは2アカウントまでだったが、TweetMeでは最大値は不明だが3つ以上いけるようだ。

タイムラインのカスタマイズ

タイムラインはデフォルトでは3つ。Home、Mentions、そしてDMである。右下のページ設定ボタンを2度押すことにより、ページ設定画面でタイムラインを自由に追加できる。ここでTweetMe独自機能のグループという設定ができる。これはリストと似ているがTweetMe内でユーザをグループ化して表示する機能だ。

リスト、グループなどのさまざまなタイムラインを追加できる

タイムライン画面

HOMEのタイムライン画面に戻る。右側にうすい青色の矢印(カラーバー)があり、上から2番目は上スクロール、下から2番目は下スクロールしてくれて便利だ。

タイムライン画面。右側の5つの矢印にはそれぞれ機能がある。(上から)最上行移動、上へ自動スクロール、未読最終行へ移動、下へスクロール、最下行移動。右上の赤の16は未読記事数

プロフィールポップアップ

タイムライン画面でツイートのユーザアイコンをタップすると、ユーザのプロフィール情報がポップアップされる。ここでフォロー解除したり、ユーザのタイムラインを見たり、フォロー/フォロワーを見たり、リストに追加したり、関連ツイート(その人に返信されたツイート)を見たりできる。

プロフィールポップアップ。ユーザーのフォロー管理、リスト追加、グループ追加、関連ツイート表示など

ツイートポップアップ

タイムライン画面でツイートの本文部分をタップすると、ツイートの全文がポップアップで表示される。TwitBirdではページが変わっていたがTweetMeでは元のページも後ろに見えたままだ。ここでリプライ、引用つきリツイート、公式リツイートなどが多彩にできる。

ツイートポップアップ。ポップアップでツイート本文と機能ボタンが現れる

ツイートに含まれるユーザのプロフィール/タイムライン表示

ツイートポップアップでプロフィールボタンをタップすると、このツイートに含まれるユーザのプロフィールを選択して表示できる。タイムラインボタンでこのツイートに含まれるユーザを選択してタイムライン表示ができるのに加えて、全員のタイムラインをマージしての表示もできる。この複合タイムラインはTwitBirdにはなかった機能だ。

モビライザーによるリンク表示

ツイートポップアップでリンクボタンをタップすると、「アプリ内ブラウザで開く」「Instapaperに登録」「Read It Laterに登録」の3つが選択できる。

後者の2つは事前登録しておいたInstapaper、Read It Laterへリンク内容を保存して後で読めるようになる機能でTwitBirdと同様だ。

「アプリ内ブラウザで開く」は通常はリンク先のページがアプリ内の標準ブラウザで表示される。しかし文字が小さくて読みにくいことが多い。そこで、あらかじめページ設定画面でモビライザーの設定を行なっておくと、iPhone用にページを最適化してくれる外部サービスを利用したり、Evernoteに保存したりできるようになる。

モビライザーという言葉は携帯電話用にWebページを最適化することを指す。ページ最適化用サービスとして、Goolge Wireless Transcoderと、POPONTA PROXY、Instapaperが選択できる。どれか一つしか設定できない。どれが優れているかは各自で試してみて欲しい。これらを使うとリンク先ページがiPhoneに最適化され見やすくなる。またEvernoteに設定するとEvernoteのノートブックに保存される。

ページ設定画面。モビライザーの設定を行う。Instapaper、Read It Laterの設定もここで行う

モビライザーとして4種類から選択できる

翻訳機能

英語から日本語への翻訳機能もある。タイムライン画面で英語のツイートの本文をダブルタップすると、あら不思議、その場で英語が日本語に変わる。英語以外の対応は不明だ。

ツイート投稿画面

次に自分がツイートする際だが、タイムライン画面で右上のツイートボタンを押す。ここで特筆すべきは音声入力機能だ。AmiVoiceという音声認識技術が利用されている。ページ上部の顔アイコンをタップすると音声入力モードになる。あとはページ下部「押しながらしゃべってください」ボタンを押しながらしゃべるだけ。この機能を使うときはサーバに接続する必要があるため、ネットにつながっていないといけない。認識率は実に高い。ほんの少しの修正で本文が完成してしまう。ページ設定画面で固有の単語を登録しておくと認識率が上がるようだ。入力した音声やテキストはサーバで収集され、認識率向上のための分析に使われるようだ。

あと、特筆すべきはハッシュタグの挿入。中段の#ボタンにより、過去に使用したハッシュタグの一覧が表示されるのでハッシュタグを簡単に挿入できる。同じく中段の@ボタンより、返信先のユーザを一覧から自由に選択し挿入できる。

ツイート投稿画面。上部中央の顔アイコンをタップすると音声認識入力モードへ変わる

音声認識入力モード:普通に話せばOK。認識内容の修正も可能

以上、ざっとTweetMeの基本機能を見てみた。このソフトの特長はユーザの声を取り入れて改善していくというところだ。開発元のフライトシステムコンサルティングのWebサイトに「実際のTwitter愛好家の意見を集約し、有用な機能を可能な限り取り入れた理想のiPhone用アプリケーションです」とあるように、日本のベンダの強みを生かした開発を行なっているようだ。

ひとつひとつの機能やデザインを見ても、気が利いている感じがする。メインのクライアントとすることに何の問題もない製品である。

改善提案やバグ報告は@TweetMe_devで受け付けている。また最新のアップデート予定表やバグ対応予定表もWebサイトで公開されているので、興味のある人はチェックして欲しい。バグ改善や機能強化など今後の発展が期待できるiPhone用Twitterクライントだ。大いに期待したい。