矢野経済研究所は9月21日、「企業・消費者におけるソーシャルメディアの活用実態調査」の結果を発表した。それによると、約半数のユーザーが、Twitterの利用目的として「有名人・著名人の書き込みを読む」と回答したことなどが判明した。

同調査は、企業のソーシャルメディアサービスに関する戦略の変化や注目分野などについて分析することが目的とされているもの。

それによると、消費者のTwitterの活用目的については、約半数の人が「有名人・著名人の書き込みを読む」(53%)と回答したことが判明。次いで「友人・知人の書き込みを読める」と「『興味のある』ニュースや情報を得ることができる」が同率(30.4%)で並び、「『新しい』情報を得ることができる」(24.5%)、「『世間で話題になっている』情報を得ることができる」(24.3%)が続く結果となった。

Twitterの利用目的は、約半数が「有名人・著名人の書き込みを読む」(資料: 矢野経済研究所)

同社はこの調査結果について、「利用目的の上位は『情報受信』的な項目が占めている」と指摘。「友人・知人」に関する項目が上位にランクインしていることなどから、Twitterが「リアルの人間関係の補完的ツールとして利用されている側面もある」と分析している。

一方でTwitterの特徴とされる「つぶやく」(発信する)的な項目については利用目的における回答割合が低く、この点について同社は、消費者におけるTwitterの利用について「"つながり"より、"情報収集ツール"として活用されている傾向が強い」としている。

なお、最近は企業が広報・宣伝活動でTwitterを利用するケースが増えてきているが、「組織・企業やメーカの人の書き込みを読める」という項目への回答割合は18.1%と低い。この結果を踏まえて同社は、「消費者にアピールし、惹きつけるためには、やはりコミュニティなど双方向性を意識した活用法を考えることが必要」という見解を示している。

今回の調査は2010年6月から9月にかけてソーシャルメディアサービスのユーザー企業・消費者に対して実施。企業調査は同社研究員による直接面談や電話、メールによるヒアリング、文献調査の併用によって行われた。