SAS Insutitue Japanは9月16日、経営管理/管理会計ソリューション「SAS Intelligent Scorecarding」「SAS Intelligent Forecasting for Finance」を発表、同日提供開始した。経営管理に予測/分析手法を採り入れ、企業のIFRS適用、グローバル化、市場の多様化などへの対応を支援する。同社執行役員 ビジネス開発本部長 兼 プロフェッショナルサービス本部長 宮田靖氏は「両製品とも企業規模や業種業界を問わずに使えるソリューション。これからの予測型経営は、過去の分析をベースにしたフィードバックコントロールではなく、将来を向上させるために現在を変えるフィードフォワードコントロールに移行すべき」と語る。
SAS Intelligent Scorecardingは、戦略策定からKPIのモニタリングまでを行う「SAS Strategy Management」の最新版で提供される新機能により、KPI間の関係性の強さを可視化するソリューション。組織が掲げる目標を達成するために最適なアクションを取れるよう組織アラインメントを強力にサポートし、強化すべき指標やイニシアチブを特定する。「戦略/ゴールは本来、組織の末端に至るまで共有されてしかるべきもの。それができていないということは組織アラインメントがうまく行っていないということだ。結びつくべき指標や強化すべき指標を、SAS Intelligent Scorecardingの高度な分析によって洗い出すことができる」(宮田氏)
SAS Intelligent Forecasting for Financeは、2015年ごろに義務づけられると見られるIFRS適用を見据え、財務会計プラン(予算策定)の精度を向上させるもの。前年の実績をベースにする方法ではなく、過去のデータに加えて、IFRSや海外市場へのシフト、為替相場など多様化や変動が激しい外部要因や、組織アラインメント、各種の勘定科目などを分析し、将来値を精緻に予測することを可能にする。
宮田氏は、「現在は経営を取り巻く外部要因の変化の幅が大きく、経営のスピードが加速化しているにもかかわらず、多くの企業は、予実比較という過去の分析に過度にフォーカスしすぎるきらいがある。また、仮説を立ててそれを検証するという、科学的な分析を伴わない"経験と勘"だけに頼った将来予測を信じている企業も多い」とし、将来起こりうることを予想してリスクの低減をはかる予測型経営に移行するには、「予測の視点と高度な分析の両方が必要」と強調する。そして予測と計画の差を認識した上で、「そのギャップを埋めるために必要なアクションプランを策定する必要がある」とする。過去の分析ではなく将来に軸足を置いた予測/分析 - BI製品に求められる機能も変化しつつあるようだ。