インターブランドは9月16日、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2010」を発表した。同ランキングはグローバルな事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするもので、今年で11回目の発表となる。
今年もトップはコカコーラとなり、11年連続で同順位を確保したことになる。これに、IBM、Microsof、Google、GEと続く。右図をご覧いただけばわかるとおり、テクノロジー関連のブランドの躍進が目立つ。IBM(前年比7%増)、Microsoft同7%増)、Google(同36%増)、 Intel同4%増)、HP(同12%増)と5ブランドがランクインした。
Googleは中国政府による検閲の問題などがあったが、Androidが様々な形でエレクトロニクス企業に採用されるなど、その事業領域を拡大しブランド価値を向上させた。HPは新しいブランドコンセプト"let’s do amazing"の下、ソフトウェアとサービスのブランド拡張を進め、トップ10入りを果たした。
アジアという観点から見ると、日本勢の苦戦と韓国勢の躍進で明暗が分かれる結果となったと、同調査では分析している。具体的には、トヨタがリコール問題によって16%ブランド価値を下げて昨年の8位から3つ順位を落としトップ10外となったのに対し、samsung(19位、前年比11%増)、Hyundai(65位 前年比9%増)は、グローバルでの存在感とブランド価値を高めた。
なお、世界第2位の経済大国となった中国からはトップ100にランクインするブランドは今回もなく、単なる低価格製品を超える世界的ブランドとしてのポジションを確立するため、依然として奮闘を続けている状況となっているという。
一方、日本ブランドのみのランキングを見てみると、トップは世界で11位のトヨタとなった。これに、ホンダ、ソニー、キヤノン、任天堂が続く。Best Global Brands 2009(2009年9月発表)のトップ30では、価値が下落したブランドが53%(16ブランド)にとどまっているのに対し、Japan’s Best Global Brands 2010では80%(24ブランド)のブランドが価値を落としており、日本ブランドの不振が目立っている。
ただし、こうしたなかでも価値を上げているブランドはあり、その例として、ASICS(11%増 22位)ならびにHonda(3%増 2位)が挙げられている。ASICSは世界的なマラソンブームという好環境を背景に、明確なグローバル・ブランド戦略を構築し、グローバル・ブランドキャンペーンや旗艦店展開など、次々と施策を打ち出しているという。また、Hondaは、F1の撤退により環境対応へと資源を集中するとともに、二輪車での地位を足がかりに、東南アジアを中心とした新興国で存在感を大幅に高めている。
同調査では、日本発ブランドの改善点として、「グローバルレベルのコミュニケーション」「グローバルなアプローチ」「人間的、親しみやすさ」「独自性・差別性」を求める声が多くあるとしている。