デルは9月17日、SMB向けストレージ「PowerVault NX 200」とネットワークコネクタ「PowerConnect J-SRX」シリーズ」を発表した。PowerVault NX 200はラック型で最下位機種となる製品で、PowerConnect J-SRXはジュニパーからのOEM製品。
今回、両製品を発表するにあたって、国内およびグローバルにおけるSMBの事業戦略の説明が行われた。
国内のSMB戦略については、スモール&ミディアムビジネス マーケティング本部 北アジア地区本部長の原田洋次氏が説明を行った。
同氏は、中堅・中小企業は「ITに対する要求は増える一方にもかかわらず、予算は横ばいもしくは削減されるとともに投資は組織の維持に限定され、その結果、ROIは不十分もしくは予測不可能」という課題に直面しているとして、「われわれはこうしたSMBに対し効率化によるITコストの削減を図る"Efficient Enterprise"という戦略を打っている」と説明した。
具体的には、同戦略の下、標準化・シンプル化・自動化というステップによって、「デスクトップ」「データセンター」「クラウド」の効率化を図っていく。
グローバルの戦略については、米デル スモール&ミディアムビジネス エンタープライズ マネジメントディレクターのアントニオ・フリオ氏が説明を行った。
同氏は、中堅・中小企業が「人員や予算といったリソースが制限されている」、「データ保護が不足している」、「ITの展開や管理に時間がかかりすぎている」という課題を抱えていると指摘した。同社はこうした中堅・中小企業に対し、「ビジネスの価値の向上とROIの増加」、「正しいストレージとバックアップによるデータ保護」、「システムの保守やメンテナンスの簡素化」するためのサポートを行うという。
「今年後半に、『Lifecycle Connect』という製品のリリースを予定している。この製品はサーバのマネジメント、ITリソースの配分の最適化によって、ITシステムの効率化を図る」
また同氏は今後、10月にはAMDのプロセッサを搭載するサーバ2製品をリリースする予定であることを明らかにした。
新製品についての説明は、スモール&ミディアムビジネス マーケティング本部 ブランドマネージャーの大川博史氏が行った。
PowerVault NX 200がタワー型である理由について、「ラックを持っていないお客様のニーズにこたえるもの」と同氏。同製品はメモリやCPUなど、ハードディスクの容量以外の仕様はすべて固定されているため、ユーザーはハードディスクを指定するだけで注文が可能だ。ハードディスクの容量は1TB、2TB、4TB、8TBの4タイプが用意されており、RAID 5によるデータ保護機能が標準で提供される。価格は20万4,015円からとなっている(税込・送料別)。
ジュニパーのOEM製品であるPowerConnect J-SRXはセキュリティ・サービス・ゲートウェイ製品だ。同製品は、JUNOSのルーティング・スイッチング機能をすべて利用でき、ファイアウォール/VPN/IPS/統合アクセスコントロールといった機能を提供する。同製品のラインアップは3タイプとなっており、それぞれ搭載するネットワークの種類が異なる。「J-SRX 100」はFast Ethernetを8ポート、「J-SRX 210」はFast Ethernetを6ポート/ギガビットEthernetを2ポート/WANスロットを1個、「J-SRX 240」はギガビットEthernetを16ポート/WANスロットを4個、それぞれ搭載する。価格は21万6,300円から。