米国データロボティクスは9月16日、国内においてパートナー企業経由で提供してきたストレージシステム「Drobo」の国内販売支援とパートナー企業との共同マーケティング/販売協業を強化するため、国内市場に本格参入することを発表した。

具体的には、今年7月に開設した日本オフィスの機能を拡張するため、今年10月に日本法人お設立完了を目指し、今後2年間で全世界での売上のうち5-10%の国内販売を目標とする。

米データロボティクス アジア・太平洋地区 営業担当シニア・ディレクターのフィリップ・カズーボン氏

米データロボティクス アジア・太平洋地区 営業担当シニア・ディレクターのフィリップ・カズーボン氏は、Droboの最大の特徴である「BeyondRAID」について説明した。BeyondRAIDは同社が開発した独自技術で、特許も取得している。「RAIDは優れたテクノロジーだが、1987年に登場して以来あまり進化していない。われわれは、RAIDの長所を生かしながらもその制約を取り払うべく、Droboを開発した」

BeyondRAIDでは、RAID 1、RAID 5、RAID 6の長所を"いいとこどり"したうえ、これらのRAIDでは実現できない機能を提供する。容量を拡張する際は、システムを停止することなくHDDを追加することができ、コンフィギュレーションなどの再設定は一切不要だ。これは破損に伴うHDDの交換時も同様。そのため、RAIDの知識がないユーザーでも簡単に作業が行える。また、利用可能なHDDの要件は「3.5インチのSATAディスク」というだけで、メーカーや容量の異なるHDDを混在して利用可能で、容量が足りなくなった場合は最も容量が小さいHDDを交換することで対処できる。

さらに、同製品は1本のHDD障害および2本のHDD障害に対応しており、HDDが壊れてもセルフヒーリング機能によって自動で修復が行われる。HDDの状況およびデータの使用容量は筐体前面のランプの色で示されるためわかりやすい。

同社の顧客を対象に実施した調査では、購入理由として「継続的に大容量のHDDにリプレース可能なこと」がトップとなっている。

米データロボティクス 日本オフィス プレジデント 東貴彦氏

日本オフィスプレジデントの東貴彦氏からは、国内における販売戦略に関する説明が行われた。「ストレージシステムでは、エントリー製品とミッドレンジ/エンタープライズ製品の間に空白がある。それぞれのデメリットを解決するDroboによって、この隙間を埋めたい」と、同氏は同製品のターゲットについて述べた。

同製品は「Drobo」「Drobo S」「Drobo FS」「DroboPro」「DroboElite」という5つのモデルが用意されているが、日本ではデスクトップストレージ「Drobo」、ネットワークストレージ「Drobo FS」、SMB向けバックアップストレージ「DroboPro」の3製品に注力する。

Droboのラインアップ

同氏は「Droboの優位性は容量が大きくなればなるほど発揮される。ただ、当社としては、単にコストが安いことをセールスポイントとしたくない。Droboのメリットは"必要な容量のHDDだけを買えばよい"ことにある。というのも、もし容量が不足しても、自由かつ簡単に拡張することが可能だからだ。これは、TCOの最適化をもたらす」と、コスト面におけるアドバンテージについて説明した。

同製品の価格はオープンだが、参考市場価格は、「Drobo」が3万9,900円、「Drobo S」が6万7,800円、「Drobo FS」が7万7,800円、「DroboPro」が15万9,800円、「DroboElite」が39万8,000円となっている(いずれも税込)。

左から、Drobo FSとDroboElite