パナソニックは、32nm世代のシステムLSI向け量産プロセスを開発したことを発表。併せて、同プロセスを用いたBlu-Ray Disc(BD)プレーヤ用システムLSI「MN2WS0150」の量産出荷を2010年10月より開始することも発表した。
同32nmプロセスは、High-K/メタルゲート(HKMG)の形成にゲートファーストプロセスを採用。これにより、チップの低消費電力化を図りながら高集積化が可能となり、結果としてディスクから信号を読み出すフロントエンド部やAVデコーダ、HDMIトランスミッタ、制御マイコン、各種メディアインタフェースを1チップに集積することに成功。チップ消費電力は従来品比で40%、システムの実装面積は従来ソリューション比で約30%削減することが可能となった。
また、High-K材料にはHfを使用しているが、配線層の絶縁膜材料として誘電率k=2.4を実現したExtremely Low-k(ELK:超低誘電率)絶縁膜を採用。これにより配線容量の低減を実現した。か、用いることで、状況に応じたLSIの高速化と低消費電力化を実現している。
さらに、クロック周波数制御および電源電圧供給遮断など、LSIの動作モードに応じて消費電力を最小化する省電力化回路技術と、高速アナログ・デジタル回路混載技術を搭載。高/中/低Vthトランジスタの3種類を回路の動作速度にあわせて使い分けるマルチVthプロセス技術や、必要な回路ブロックにだけ電圧を供給する電源遮断制御などを行うことにより省電力化を実現したほか、各種高速インタフェースの搭載を実現するアナログ・デジタル回路混載技術により高密度集積化を実現した。
加えて同社のデジタル家電統合プラットフォーム「UniPhier」の活用により、ブルーレイ3Dの映像記録方式であるMPEG-4 MVCデコード技術、HDMI高速データ伝送回路技術、3次元/曲面描画などによるフルハイビジョン映像の3D再生が1チップで可能となっているほか、MPEG-4 AVC/H.264、VC-1などのデジタル家電分野で要求される複数の映像符号化規格にも対応することが可能となっている。