日本ネティーザ9月15日、DWH/分析アプライアンス「Netezza TwinFin」「Netezza Skimmer」の性能・機能強化をはかったアップグレード・ソフトウェア「リリース 6.0」を10月末より出荷開始することを発表した。
米国ネティーザ製品統括責任者フィル・フランシスコ氏 |
同ソフトの詳細については、米国ネティーザ製品統括責任者のフィル・フランシスコ氏が説明を行った。同氏は、同ソフトの特徴として、「従来比2倍のパフォーマンスと拡張性」、「ワークロード管理機能の強化」、「高度分析プラットフォーム"i-Class"の提供」、「セキュリティとコンプライアンスの向上」、「OLAP分析機能の拡張」を挙げた。
パフォーマンスとキャパシティの改善を実現する技術の1つが「圧縮エンジンⅡ」だ。同エンジンは、カラム単位でデータの圧縮を行い、書き込みは行レベルで行う。従来のエンジンは数値型のみ対応していたが、すべての型のデータを圧縮できるようになったほか、複数のアルゴリズムをデータの内容に基づいて自動的に選択するできるようになった。これにより、4倍から32倍の圧縮率を実現する。
加えて、同氏は「競合製品は圧縮データの解凍をCPUで行っている。これに対し、当社の製品はFPGAのストリーミング処理によって行うため、CPUに負荷がかからない」と説明した。
同社の調査では、現行のリリース5.0のエンジンで圧縮したデータが228万0225MBだったところ、リリース6.0のエンジンでは71万337MBまで圧縮できたという。
クエリのパフォーマンスを向上する機能には、多次元クラスタリング機能を備える「クラスタ・ベース・テーブル」がある。同機能は、テーブル単位で指定された項目の類似するレコードを集め、Zonemap を使用することでディスクスキャンの頻度を削減する。
続いて、同氏はi-Classについて説明した。i-Classは高度な分析を行うためのフレームワークで、アナリティクスエンジン(HadoopやRエンジン)、Java, Phython, C++といったソフトウェア開発環境 基本分析パッケージから構成される。
従来の方法で高度分析を行う場合、同社のアプライアンスからデータを抽出して外部のマイニングツールでモデル作成を行ってから、再びデータをアプライアンスに戻し、さらに、モデルをデータに適用する際にアプライアンスの外部で行うといった手順になる。同氏は「高度な分析では、データの移動に伴いパフォーマンスの低下が発生する。i-Classでは、データの移動を従来の方法に比べて減らしている」と説明した。
i-Classに対応したアプライアンスでは、モデルの作成とモデルの適用を内部で処理できるため、従来の方法で発生していたデータの移動が最小限に抑えられる。
最後に同氏は製品開発のロードマップを示した。今後は、現行のTwinFinを軸に、大容量タイプの「Cruiser」とハイエンドタイプの「Ultra Performance」の2種類の開発が行われる。
Cruiserは2010年第4四半期にリリースが予定されており、同氏は用途として、「大容量のデータを扱うユーザー」、「アーカイブを行うユーザー」、「TwinFinを連携させてのディザスタリカバリ」があると説明した。
Ultra Performanceについては、I/Oが速いSSDやメモリの採用が予定されており、リアルタイムの不正検出を行う場合などに適しているという。