米Freescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは9月14日、同社のプライベートショー「Freescale Technology Forum Japan 2010(FTF Japan 2010)」を開催。併せて、Power Architectureベースの32ビット・デュアルイシュー・コア・マイクロコントローラとして、自動車用パワートレイン(パワトレ)およびトランスミッション・アプリケーション向け製品「MPC564xA」を発表した。
同製品は、エンジンに搭載されるECUやトランスミッション内におかれるECUの制御アプリケーションでみられる最大150℃の温度にも耐えられるように設計されているほか、150MHz動作のデュアルイシュー・コアの採用により275DMIPS以上の処理能力を実現している。こうした処理能力の拡大により、新しいタスクの追加が可能となり、さまざまな処理を行うことが可能となる。
また、キャッシュの設定、多段の低消費電力モード、クロック設定などの低省電力化技術を採用しているほか、外部で熱を放出する手法ではなく、推奨するパワーレギュレータを使うことで、より消費電力を抑えることが可能となっており、処理性能を向上しながらも、消費電力の増加は従来製品と比べ最小限に抑えることに成功している。
最大4MBのフラッシュメモリと最大192KBのSRAMを搭載しているほか、8KBの命令キャッシュによりメモリ性能を向上させることに成功している。加えて、32チャネルの拡張タイム・プロセッシング・ユニット(eTPU)により、エンジン燃料噴射装置やトランスミッション圧力調整装置などのアクチュエータに対して高精度な時間およびイベントベースの制御を実現しているほか、eTPUを強化する新しいリアクション・モジュールを用いることで、電流制御アクチュエータの柔軟性を向上させることが可能だ。
このほか、組み込みハードウェア・フィルタにより、ノッキングや点火不良の検知性能が強化されているほか、内蔵されたアナログ機能を活用することで、ノック専用ICやインジェクション/ソレノイド用電流制御ICなどの外部ASICを不要にすることができ、低価格化が可能となっている。