ニフティは9月13日、レベニューシェアを前提としたソーシャルアプリ開発企業との協業プログラム「ソーシャルアプリ・アライアンスプログラム(SAAP: サープ)」を発表。同日より参加企業の募集を開始した。

ニフティ サービスビジネス事業本部モバイルビジネス部長 棟近直広氏

同社は昨年よりソーシャルアプリ関連事業に対して本格的に取り組んでおり、今夏よりパートナー企業との協業によって3社3タイトル(「ヴァンパイア戦記」「モノノケ侍」「ラクして☆セレブ」)のソーシャルアプリ(ゲーム)の提供を開始している。

今回発表された「SAAP」は、この実績とノウハウを生かして協業によるビジネスモデルの"プラットフォーム化"を目指すもので、具体的な数値目標として「2010年度内に10社以上のアライアンスを目標とする」(同社 サービスビジネス事業本部モバイルビジネス部長 棟近直広氏)ことが示されている。

同プログラムの参加対象とされているのは、「ソーシャルアプリの開発実績がある法人のみ」(同氏)とのことだが、アプリのジャンルはソーシャルゲームに限定されるものではない。

また、ターゲットとするデバイスは携帯電話、PC、スマートフォンを問わず、複数のデバイスをターゲットとすることも可能となっている。

同プログラムは「ニフティも汗をかく」(同氏)ことが特徴とされており、ニフティ側はサーバやネットワークなどのインフラ提供(24時間365日監視)、トラフィック急増などに備える負荷試験を含む品質検査、ユーザーサポート(一次窓口)、mixiやGREE、モバゲータウンなど他のプラットフォームとの契約や手続きに加え、収益最大化を狙うための集客・プロモーションといった役割を担う。

これによってアプリ開発企業はサービス開発や運営に専念できるほか、アプリの開発に際してはニフティと企画段階から共同で取り組むことが可能になる。

「SAAP」の考え方を示した図

具体的な収益の配分割合(レベニューシェア率)については、ニフティ側が8割、アプリ開発企業側が2割となる。ただし、「1タイトルあたり数百~1千万程度かかる」(同氏)とされる初期開発コスト(ニフティ側が負担)が回収できた場合は、以後この割合を両者で5割ずつ折半する形に移行(プラットフォーム手数料と課金手数料は別途必要)する。

コストシェア・レベニューシェアの詳細

同社は「年齢層が高く、男性比率が高い」(同社 取締役兼サービスビジネス事業本部長 津田正利氏)とされる既存のユーザー層について、シニア層、主婦層、若年層への拡大を目指しており、今回発表されたSAAPは、とりわけ若年層を取り込むための施策の一環として位置付けられている。

ニフティ 取締役兼サービスビジネス事業本部長 津田正利氏

同プログラムへの参加企業の応募は10月15日までで、その後同社による審査を通過した案件がプロジェクト化される。応募方法は事務局(saap@list.nifty.co.jp)宛に「エントリーシート」「アプリ企画書(5枚程度)」「ゲーム設計概要書(ソーシャルゲームの場合)」「利用者の導線、課金ポイントがわかるゲーム設計書またはフロー図(ソーシャルゲームの場合)」をメールで送付する形となる。

なお、同プログラムへの参加検討企業向け説明会が9月21日に同社にて開催される。

9月21日に開催予定の説明会参加申し込みフォーム