グーグル シニア エンジニアリング マネージャーの及川卓也氏

グーグルは9月13日、先週リリースしたWebブラウザの新版「Chrome 6」に関する説明会を開催した。

説明を担当したグーグル シニア エンジニアリング マネージャーの及川卓也氏は、Chromeのリリーススケジュールが同バージョンから6週間おきにメジャーバージョンアップを続けていくかたちになったことを紹介。そのうえで、主な新機能やChromeの拡張機能(Extension)について簡単に解説した。

Chrome 6の主な特徴としては、パフォーマンスの向上に加えて、以下のスライドの新機能が挙げられた。

Chrome 6の主な新機能

これらのうち、「新しいタブページ」では、新規タブページを開いた際に表示される「よくアクセスするページ」を固定できるようになるなどの変更が加えられたことを説明。また、タブを右端へドラッグするだけで2画面を並べて表示できる「サイドバイサイドビュー」が追加されほか、各種フィールドに対する入力情報を記録しておき、同じWebページに再度アクセスした際に自動的に入力項目を埋める「オートフィル」が強化され、同じWebページだけでなく、他のWebページにおいても同種の入力項目であれば自動的に埋められるようになっていることが説明された。

続けて、及川氏はChromeの開発コンセプトの1つに、「ブラウザ自体を新たなイノベーションプラットフォームとして活用してもらう」というものがあることを紹介。そのうえで、拡張機能を提供していることに触れ、「Chromeの拡張機能は、Webの標準技術だけを使っているため、Webアプリケーションの開発者が現在のスキルで開発することができる。これまでマッシュアップを行う際には、特定のWebサイトの上で行っていたが、Chromeの拡張機能を使えば、クライアント側でそれができるようになる」とコメント。さらに、「拡張機能のギャラリーも、簡単な審査はあるものの基本的にはオープンであるため、作ったものをすぐに世界に向けて発信できる環境ができている」と言及し、開発者に積極的に活用してもらいたいとアピールした。

また、拡張機能におけるChrome 6の新機能として、Googleアカウントを使用した同期機能があることにも触れ、会社と自宅など1人が複数のPCを利用する場合でも、設定画面から「同期」を選びIDとパスワードを入力するだけで、一方で揃えた拡張機能群やブックマークを簡単にインポートできることをデモで示した。

Googleアカウントを使用した同期機能のデモの様子。まずは、拡張機能やブックマークを何も登録していないChromeを提示

Chromeのオプションから「同期の設定を」選択

すると、GoogleアカウントのIDとパスワードが表示される

同期する項目を選択すれば……

同期処理が完了する

同期が終わったChrome。ブックマークが追加され、アドレスバーの横に拡張機能が追加されていることがわかる

さらに、及川氏は、日本のGoogle社員が選んだChrome拡張機能を紹介。Twitterクライアントの「Chromed Bird」や、関連する複数のWebページを1つのページに変換する「AutoPatchWork」、テキストを選択すると検索ボタンが現れる「Google Quick Scroll」など10個を取り上げたうえで、番外編として「先週Googleが公開したばかり」(及川氏)という「Highlight to Search」もピックアップした。Google Quick Scrollに関してはデモも披露。Googleの検索画面から特定のWebページに遷移した際に、Googleの検索結果の画面に表示されていた短い説明文(スニペット)が画面右下にポップアップ表示され、それをクリックすると該当部分に移動する様子が示された。

Google Quick Scrollのデモ。Googleにて、いつもどおりに検索

検索結果の画面から遷移すると、右下に検索結果に表示されていたスニペットがポップアップ表示される

ポップアップのテキストをクリックすると、該当箇所に移動する

なお、日本のGoogle社員が選んだChrome拡張機能はGoogle Japan Blogで紹介されているので、興味のある方はご覧になるとよいだろう。