英BT Group(以下、BT)は9月9日、香港にてプレス、アナリスト向けのイベント「BT Asia Pacific Analyst & Media Event」を開催。「顧客視点」に基づくグローバルサービスの展開を踏まえ、日本を含むアジア・パシフィック地域における同社の成長戦略の第1段階として新たに約300人の人員を募集することなどを発表した。
今回同社が同地域における成長戦略として掲げる「第1段階」の主な内容は、国際的にビジネスを展開する企業(いわゆる"多国籍企業")に対して同社が提供している既存の製品やサービスの強化。具体的には、音声・IPサービス、マネージド・セキュリティ、ユニファイド・コミュニケーション、コンタクト・センター向けサービス、モビリティ、データ・センター・サポートなど。これには国や地域ごとに展開するマネージド・ネットワークITソリューションも含まれる。
同社は従来の「通信会社」から、顧客視点を重要視する「ソリューションカンパニー」への変革を遂行しているプロセスの過程にあるとのことだが、その核となる人材を、日本やオーストラリア、中国、香港、インド、シンガポールなど、同社が「重要なマーケット」ととらえる地域から約300名を採用する。
この約300名の職種の内訳についてBTアジア・パシフィック マネージング ディレクター ケビン・テイラー氏は、「顧客のニーズに応じた採用になるため、セールス部門の採用がメインとなるだろう」という見通しを示した。そこで採用する人材に求められることは、「同社がビジネスの拡大について高い関心を示している分野について高い業務知識を有していることと、BTのビジネスや戦略を正しく理解できるということ」(同氏)となる。
同氏は今回の香港でのイベント直前までシドニーに滞在していたとのことだが、とりわけオーストラリア、中国、インドでの採用に注力することになるという。
同社が「高い関心を示している分野」については、今回のイベントにおいて「金融サービス」「消費財」「製薬・物流」「官公庁・ヘルスケア」が"4つの重要なバーティカルエリア"として示された。
さらに同社は、顧客が同社のテクノロジーに接することが可能となる営業拠点「カスタマー・テクノロジー・センター」を、北京、デリー、香港、シンガポール、シドニーの5箇所に新規開設する。
日本については、「現在は特定の活動を日本で行っている」(BTアジア・パシフィック バイスプレジデント トッド・ハンコック氏)といった状況で、同氏は「(日本に)無いというのはおかしい」とするなど、将来的に同様の施設が開設される可能性を示唆した。
なお同社は日本において、2006年にKDDIとのジョイントベンチャー企業 KDDI&BTグローバルソリューションズを設立。その後2009年には日立コミュニケーションテクノロジーと金融・証券会社向けのディーリングシステムでOEM契約を締結している(BT製品を日立コムが「日立ブランド」で販売)。また、同年にはITホールディングスと戦略的パートナー関係を構築している。
同社の成長戦略の1つには、パートナー企業との共存共栄があるが、日本でも「新たなアライアンスを計画中」(ハンコック氏)とのことで、現在は当該企業と話し合いを行っている段階にあるとのことだ。