毎日コミュニケーションズは8日、『Web Designing』、『+DESIGNING』、『マイコミジャーナル』3誌合同主催による電子出版についてのセミナー「MJクリエイティブ 電子出版セミナー Vol.1」をパレスサイドビル9Fにて開催。村瀬拓男氏、境祐司氏、森裕司氏を講師に迎え、電子出版の現状や課題について各側面から解説が行われた。
MJクリエイティブ 電子出版セミナー Vol.1は、雑誌『Web Designing』、『+DESIGNING』とWebメディア『マイコミジャーナル』の3誌合同主催によるセミナーで、電子出版をめぐる現状や課題についての理解を深めることを目的として行われた。
講師として迎えられたのは、『電子書籍の真実』(弊社刊)の著者であり大手出版社で編集や電子書籍事業に携わった経験のある弁護士の村瀬拓男氏と、インストラクショナル・デザイナーとして学校や企業の講座プランや教育マネージメントを務める傍ら、執筆活動等でも活躍する境祐司氏、Webサイト「InDesignの勉強部屋」主宰でAdobe InDesignの書籍執筆など、InDesignの専門家であるデザイナーの森裕司氏。
村瀬氏による最初の講義「電子出版をめぐる出版業界の課題」では、いま日本において電子出版がどのような状況下にあるかを、著作権制度や再販制度というような、出版社だけではなく、印刷会社・取次会社・書店・著者などそれぞれの立場で抱える課題や問題を制度・法律面から包括的に説明を行った。
境氏の講義「電子書籍フォーマットの選び方」では、2000年を電子書籍元年に踏まえた歴史を総括し、複数あるフォーマットの特徴を解説。Webと電子書籍、アプリとEPUB、EPUBの特徴などを各論的に捉えながら、目的に応じたフォーマットを選択する必要性を確認。電子書籍フォーマットの選び方について詳しいアドバイスを提供した。
森氏の講義「InDesignからEPUBの書き出しの実際」は、EPUBとはそもそもどのようなものであるのかについて冒頭で解説。EPUBの置かれている現状と課題を、メリットとデメリットを加えて説明し、実際の作成方法を伝えた。講義はiPadへの書き出しを前提とし、手順を追いながらポイントごとに注意点を拾う丁寧な解説がなされた。
3名の講師を迎えて行われたセミナーは、3時間という限られた時間にもかかわらず、電子書籍を取り巻く状況や潮流の把握という俯瞰的な視点を含め、フォーマットの選び方やEPUBの書き出し方法といった実務的な内容にいたるまで幅広く展開した。
近々に発表が予定されている次回の「MJクリエイティブ 電子出版セミナー」は、今回同様に電子書籍をさまざまな側面から捉え、受講者に有益な情報を提供する内容が検討されている。詳細はマイコミジャーナルにて後日告知される予定なので、随時確認されたい。