米Googleは9月8日(米国時間)、ユーザーのタイピングに応じてWeb検索結果をダイナミックに表示する「Google Instant」を発表した。同機能を有効にしてWeb検索を行うと、検索時間を2-5秒短縮できるという。

「誰でもタイピングには時間がかかるが、読むスピードは速い。標準的なキーストロークの間隔が300ミリ秒であるのに対して、ページの他の部分に視線を移すのはわずか30ミリ秒(1/10の時間!)だ。これはタイピングしている間でも結果ページにざっと目を通せることを意味する」(Google)

検索クエリをタイピングし終わる前に目的の検索結果にたどり着ければ、検索時間の大幅な短縮を実現できる。これがGoogle Instantの狙いだ。

これまでもGoogle検索で入力を開始すると、タイピングに応じて検索クエリの候補がドロップダウンメニューで表示された。Google Instantを有効にした状態では、タイピングした文字に続いて、予測トップの検索クエリが検索ボックスの中でグレイ色で表示される。さらにタイピングの間に、予測トップの検索クエリに対する検索結果がダイナミックに表示される。

Google.co.jpでGoogle Instantはまだ利用できないが、Google.comでの日本語検索では利用可能。「マイコミジ」までタイプすると、検索クエリ予測トップの"マイコミジャーナル"がボックス内に表示される

例えば「int」と入力すると「internet speed test」が検索クエリ予測トップになり、Speedtest.netが最上位の検索結果が現れる。さらに「interns」と入力を続けると予測トップが「internships」に変わり、検索結果もインターンシップ関連の結果になる。グレイ色で表示される予測トップは入力支援であり、また検索ガイドとして機能する。これまでは検索クエリの入力を完了してEnterしなければ、どのような検索結果を得られるか分からなかったが、動的な結果表示によってタイピング中に検索結果を確認できる。

筆者のアカウントでは「int」まで入力すると、internet speed testが予測トップに

「interns」まで入力すると、予測がinternshipsに変わり、同時に検索結果もインターンシップに関するものに変化

従来のGoogle検索では、一般的なユーザーの検索語の入力時間は9秒以上で、検索目的を満たす検索語の入力を完了させるまで30-90秒かかるケースも多かった。Google Instantによって検索時間が2-5秒短縮されることで、グローバル規模では1秒あたり11時間、1日で35億秒以上の時間の節約につながるとGoogleは予想している。

検索結果が動的に変化するとやり取りするデータ量が増えるが、検索プロセスを見極め、タイピング中はデータの送受信を最小限に抑えるなどしてインターネット接続回線への影響を回避している。また非常に遅い回線では自動的にGoogle Instantが無効になる機能の導入も計画している。

現在Google Instantをサポートしているのは、US、UK、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシアのGoogleドメインの検索ページで、対応ブラウザはChrome 5/ Chrome 6、Firefox 3、Safari 5 (Mac用)、Internet Explorer 8など。利用するにはGoogleアカウントでのサインインが必要。数カ月中にGoogleドメインを追加し、対応言語を拡大するという。またモバイル版のリリースも計画している。