帝国データバンクは9月8日、2010年8月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(130万社収録)などから、創業100年以上の企業(個人経営・各種法人含む)を集計し、創業時期別、都道府県別、業種別に分析を行った結果を発表した。
創業100年以上の企業の数は、2010年8月時点で2万2,219社に上ることが判明した。このうち上場企業は347社で、上場企業の業歴トップは1586年(天正14年)創業の「松井建設」(東京都)である。創業が確認できた企業のうち最も古かったのは、寺社仏閣建築の「金剛組」(大阪府)で西暦578年(敏達天皇6年)だった。聖徳太子が四天王寺建立のため百済から招いた工匠が始祖とされ、業歴は1400年以上に及ぶ。2位以下は順に、生け花の振興・教授を手がける「池坊華道会」、老舗旅館「西山温泉慶雲舘」、「古まん」、「善吾楼」となり、老舗有名旅館が上位を占め、上位7社が業歴1000年を超えた。
創業時期別では、「100年~150年前」が2万56社と、全体の9割が江戸時代末期から明治後期にかけて創業しているほか、創業から300年超前の合計が605社、同500年超前の合計が39社となっている。
業種別では、「小売業」が6279社でトップで、酒小売、呉服・服地小売などの業者が目立った。小売業の業歴トップは、仏具小売の「朱宮神仏具店」(山梨県)で創業は1024年(万寿元年)。2位は「製造業」(5447 社)で、業歴トップは仏具製造の「田中伊雅佛具店」(京都市)で創業は885年頃(仁和年間)。このほか製造業では、清酒製造、菓子製造などが目立った。
同社は今回の調査について、「長寿企業の永続の秘訣を一言でいえば、"変化への対応力"につきる。戦争や災害、産業構造の変化など幾多の困難を乗り越える原動力となったのは、過去の成功体験に縛られず変化を恐れない姿勢に集約される。景気の先行き不透明感が増す今日、事業規模の大小を問わず多くの企業にとって、長寿企業に学ぶべき点は多い」とコメントとしている。