日経リサーチとNECビッグローブは9月8日、ツイッター上実施した桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」のクチコミ分析の結果を発表した。同調査では、ツイッターの返信・転送比率にブーム拡大の先行指標のような動きが見られたという。

今回の調査のツイッターのデータは、NECビッグローブの「ツイッターデータ分析サービス基盤」のデータを利用し、分析は日経リサーチが行った。

同調査では、「辛そうで辛くない少し辛いラー油」について、ツイッター上でのつぶやき(投稿)を「誰かに返信したつぶやき(reply)」「誰かのつぶやきを転送したつぶやき(retweet)」「それ以外のつぶやき(simple tweet)、の3種類に分類した。

テレビの情報番組でラー油の特集が組まれた3月22日~28日の週につぶやき全体の最大数を記録した。種類別では、他者のつぶやきに返信や転送をした割合が2月8日の週に、前週の36%から57%に急増しており、ツイート数が最大となる約1ヵ月半前からすでにラー油のつぶやきに対する関心が高まっていたことが推測される。

また、つぶやきで最も引用が多かったされたWebサイトは、Twitpicをはじめ、画像共有サイトの引用が目立ったという。その理由として、ユーザーはラー油を購入できると、商品自体やご飯にかけた場面などを写真に撮って、それを公開することが多いことが挙げられている。

つぶやきを発信したユーザー間の返信・転送関係と引用されたWebサイトをネットワークで表した図

加えて、製品メーカーサイト、製品を紹介するニュース記事、ソーシャルゲームのネタなどの引用も混在しており、企業の商品サイトや品薄状態を伝えるニュース記事を引用することでクチコミが拡大しているとしている。

両社は今回の結果から、ツイッターでは話題性の高い情報には返信・転送といった活発なコミュニケーションで反響が起こり、それには多くのWebサイトが情報の伝播に介在していたと分析している。また、ブログ分析が発信される情報自体が対象だったのに比べ、ツイッター分析ではこうしたユーザー間のコミュニケーションや参照情報がより注目すべき対象となりそうだとコメントしている。