日立製作所は9月8日、京都大学基礎物理学研究所から、理論物理学における大規模計算用途のスーパーコンピュータシステム「理論物理学電子計算機システム」を受注したと発表した。同システムの理論ピーク性能は90.3TFLOPSで、来年1月4日から稼働を開始する予定。

同システムは、日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000 モデルXM1」107ノードで構成され、ノード間は1秒当たり4GB×2のデータ転送が可能なInfiniBandで接続される。各ノードが128GBのメモリを有するほか、1秒当たり8ビットのデータ転送が可能なファイバーチャネルを16ポート搭載することで、外付けのミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2300」2台(実効容量は計115.6TB)と接続する。

同研究所では、物質の諸性質や基本法則を理論的に解明することを目的に理論物理学の研究を行っているが、近年同研究分野では、数値計算に基づく計算物理学の重要性が増すのに伴い、大規模計算を実現する高性能なシステムの必要性も高まっている。これより同研究所は、現行の計算機システムの持つ理論ピーク性能1.18TFLOPSから性能を向上したシステムの導入を決定した。

今年7月に発表された「SR16000 モデルXM1」