シマンテックは9月7日、企業における情報の保存・管理・検索を容易にすることを目的とした製品「Symantec Enterprise Vault 9.0」(以下、Enterprise Vault)を9月17日より販売開始すると発表した。

Enterprise Vaultの基本的な動作

新版ではマイクロソフトが提供するクラウドサービス「Microsoft Business Productivity Online Suite (BPOS)」に対応。「Microsoft Exchange Online」の電子メールデータのアーカイブ化・検索が可能となった。

また、Enterprise Vaultに搭載された「Enterprise Vault Discovery Accelerator」に新たな重複排除技術が採用され、バックアップ済みのデータの重複排除が可能となっている。同社が公表している導入事例によると、これによって「3万4577件のメール(約6GB)を2,689件(約500MB)まで削減」したケースもあるという。

同社によると、これらの機能によってコンプライアンス(法令順守)や電子証拠開示(e-ディスカバリ)に伴うデータの検索が容易になるほか、コスト削減や内部調査の効率化を図れるとされる。

なお新版では管理対象のコンテンツの幅が拡大され、新たにMicrosoft Exchange Server 2010 Service Pack 1やMicrosoft SharePoint Server 2010、Domino 8.5.1に対応した。

同時に発表された「Enterprise Vault Discovery Collector」(オプション)は、デスクトップPCなどのクライアント端末に保管されたデータやファイル共有サーバなどに置かれたアーカイブされていない非構造化データもクローリングや分類、収集を行えるようにする機能。発売開始時点では英語版のみが提供されることとなっているが、「日本語対応(国内での提供)については今後検討する」(同社)とされている。

「Symantec Enterprise Vault 9.0」での主な強化ポイント