米Oracleは9月6日(現地時間)、米Hewlett-Packardの前CEOのMark Hurrd氏をプレジデントとして迎え入れることを発表した。Hurd氏は同社取締役会のメンバーにも同時に指名されており、CEOのLarry Ellison氏に直接リポートすることになる。
1カ月前の今年8月、セクハラ疑惑でHPのCEOの座を突然降りたHurd氏だが、HPでは大胆なリストラや組織改編を実行、同社をつねに業界の1、2位を争うトップ企業に成長させた経営手腕はIT業界の内外で高く評価されており、その去就が注目されていた。OracleのEllison CEOはHurd氏と公私ともに親交があり、Hurd氏を辞任に追い込んだHPの取締役会を強く批判していたいきさつがある。
Ellison氏は「HPでMarkはすばらしい業績を上げてきた。Oracleではそれ以上の仕事をやってくれると期待している」とコメント、さらに「ITの世界でMarkほどすばらしい実績をもつエグゼクティブはほかにいない。Oracleはこれからエンタープライズの世界でハードウェアとソフトウェアの完全なる統合を目指すが、MarkはすでにNCR時代にTerradataとの統合を果たしたパイオニアだ」と続け、同氏の経験値の高さを称賛している。一方でHurd氏は「私はOracleのハードウェアとソフトウェアの統合戦略が、サーバとストレージの世界の両方でIBMを打ち負かせるものだと信じている」と語り、「(Oracleのハードウェア製品である)Exadataは始まりに過ぎない。(9/19から開催の)Oracle OpenWorldではもっとエキサイティングな発表をいくつか行うつもりだ。IT業界で最もイノベーティブなテクノロジチームの一員になれたことに非常に興奮している」としている。
なお、Oracleは同日、同社プレジデントのひとりであったCharles Phillips氏の辞任を発表した。Phillips氏はすでにOracleを離れており、同社取締役も辞しているという。