Open Embedded Software Foundation(OESF)は9月2日、Androidベースの、組み込みシステム向けディストリビューションパッケージ「Embedded Master」の第2弾「Embedded Master 2(Project Code:Cinnamon)」を2010年10月末より、一般公開することを発表した。
Embedded Master 2(EM2)は各種の組み込みシステムでAndroidを利用することを目指し、OESF Platform Builderを搭載。同Builderを活用することで、Androidの不要なモジュールの削減や独自モジュールの追加などを効率よく行うためのフレームワークが提供されることとなる。
Androidの標準開発環境であるEclipseのプラグインにより、GUI環境から、これらの操作が可能で、OESFでの実測値では、最小構成のAndroidを作成すると、最大構成のAndroidに比べて40%以下のイメージサイズでのAndroid環境を実現することが可能となるという。この最小構成Androidは「Light Weight Android」と呼ばれており、この最小構成に、ユーザーごとに必要なコンポーネントやアプリケーションを追加することで、目的のシステムを構築できる環境が提供されることとなる。
また、独自にマーケットプレイスを構築できるMarket Place SDKも標準搭載される。これにより、スマートフォンだけではなく、今後の各種Android端末に向けたマーケットプレイスサービスの構築が可能となる。
なお、一般公開に先駆け9月末からOESF会員への公開を開始する予定で、OESFではEM2をベースに、順次各種拡張モジュールを公開していく予定としているほか、今後普及が見込まれるAndroid MID(Multimedia Internet Device)に対する、互換性定義仕様(Compatibility Definition Document)や推奨モデル仕様(Reference Model Specification)の公開も同時期に行っていく予定で、今後は、これらの仕様に基づき、テストおよび、認定のフレームワークの開発/推進を行っていく計画としている。
OESFでは今後、Androidの最新バージョン(Version2.2:Froyo)への対応(Project Code:Durian)や、ドキュメントの充実、メンテナンス体制の拡充、他のオープンソースソフトウェア(OSS)コミュニティとの連携など、組み込みシステムへのAndroidの普及に向けた活動の強化を進めていくとしている。