宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月1日、6月13日に7年間に渡った航海を終えて地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の成果を広く国民と共有し、宇宙への理解増進と宇宙活動の普及啓発に資することを目的に、「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルなどを展示する団体を公募し、展示を実施していくことを決定したことを発表した。 展示協力機関公募の概要は以下のとおり。

貸与対象団体

国内の公益団体(科学館、博物館、地方公共団体など)で、宇宙活動の理解増進を目的に広く一般向けの活動や展示企画を行っている団体 (なお、展示は公益目的に限るものとし、営利目的の展示は対象外となっている)

貸与品

  1. インスツルメントモジュール(宇宙から帰還した実物)
  2. 搭載電子機器部(宇宙から帰還した実物)
  3. パラシュート(宇宙から帰還した実物)
  4. エンジニアリングモデル
  5. ヒートシールド(前面/背面)のオーストラリアでの発見時の写真パネル

1~4までの展示物については、専用展示ケースも合わせて貸与される。また、オプション品として、「はやぶさ」探査機の各種スケール模型(1/2、1/5、1/8ほか)および「はやぶさ」プロジェクト解説パネルや関連画像(電子データでの提供も可能)も貸し出し可能とのこと。 (なお、宇宙から帰還した本物のヒートシールドは、その状況などを研究、解析する必要があるため、貸与対象外となっている)

インスツルメントモジュール(宇宙から帰還した実物)(提供:JAXA)

搭載電子機器部(宇宙から帰還した実物)(提供:JAXA)

パラシュート(宇宙から帰還した実物)(提供:JAXA)

エンジニアリングモデル(提供:JAXA)

東京・丸の内オアゾで8月15日~19日に行われたイベントでのカプセルなどの展示の様子

右手からヒートシールド(前面)、インスツルメントモジュール、ヒートシールド(背面)、エンジニアリングモデル。この内、ヒートシールド(前面、背面ともに)は研究解析などに回されるため、今回の募集ではパネル展示へと変更されている

募集期間は2010年9月1日~30日(当日消印有効)で、2010年11月中旬~2012年3月の期間内において展示が可能な団体・法人が対象となっている。E-mail、FAXまたは封書で「『はやぶさ』帰還カプセル等展示物貸与申請書」(注:リンク先はPDF)に必要事項などを記入する形での応募となっており、展示に向けた選考は、地域や都道府県のバランス、展示施設の立地・種類・規模、交通の便などの諸々の要素を考慮したうえでJAXAが判断、応募団体には10月末ごろ、その選考結果を通知するとしている。

なお、貸与物の展示期間は最大5日間および前後の展示物の輸送、展示準備に要する必要最低限の期間としており、これらにかかる展示、輸送、据付、警備などの諸経費はすべて展示実施者側の負担となっている。