ルネサス エレクトロニクスは8月30日、自動車のLEDヘッドライトの点灯/消灯を制御するIC「μPD168891」を発表、即日サンプル出荷を開始した。サンプル価格は500円で、量産は2012年度より月産5万個で開始、翌年以降順次生産を拡大していく予定。

車載LEDヘッドライト制御用IC「μPD168891」

同製品は、最大12個直列接続されたパワーLEDの定電流駆動制御が可能。またPWM(パルス幅変調)制御方式を採用し、車載オーディオへの影響を抑えるため昇圧制御のスイッチング周波数をAMラジオの周波数帯より若干低い最大500kHzまで設定できる。電源電圧は6Vから28Vの範囲でLEDを駆動可能なほか、昇圧駆動用と異常時の電流経路遮断用の2個のパワーMOSFETを駆動するプリドライバ回路を内蔵しているため、電子制御ユニットの駆動電流やLED使用数に見合う昇圧比率に応じて最適な外付けのパワーMOSFETを選定可能となっている。

また、車載用パワーICの開発で培った回路技術やノウハウを活用し、LED電流と昇圧駆動MOSFETの過電流保護、過昇圧・負荷(LED)オープン保護、LED端子のショート保護、過熱保護など、電子制御ユニットに何らかの障害が生じた場合に発煙や発火など重大な事故に至らないように各種保護機能を内蔵している。

さらに、異常が発生してこれらの保護機能が動作した際にその状態を出力するダイアグノーシス機能および外付けのパワーMOSFETをオフ状態に制御して電流経路を遮断する機能も有している。これらの機能により、ボディ・コントロール・モジュールと呼ばれる上位のユニットで状態をモニタすると共に、電流が流れ続けることによる2次障害を予防することが可能となっている。

加えて、高い周波数で外付けMOSFETを駆動する際に生じるプリドライバの発熱を抑制し、ユニット基板のサイズを小型化するのに適した低熱抵抗の小型パッケージ(48ピンVQFN、7mm×7mm、鉛フリー対応)を新たに開発。これにより、自動車制御ユニットの小型・軽量化が可能となっている。このため、MOSFEやショットキーダイオード、チョークコイルなどと組み合わせることで、LEDヘッドライトの駆動用小型自動車電子制御ユニットを構成することができるようになる。