大日本印刷(DNP)は、米国で半導体などの技術開発を行っている国際コンソーシアム「SEMATECH」と共同で、米国ニューヨーク州立大学albany校のナノスケール科学工科カレッジ(CNSE:College of Nanoscale Science and Engineering)において、次世代のフォトマスク洗浄プロセス技術の開発を行うことを発表した。

半導体の製造プロセスは32nmに到達し、一部20nm代のプロセスを用いた製造も開始されようとしている。そうした微細化が進む中、半導体製造の原版となるフォトマスクのパターン転写時の不具合を防ぐためには、フォトマスク表面を従来以上にクリーンな状態に保つことが不可欠となってきている。

また、フォトマスク表面の汚れは、半導体の回路パターンの欠陥だけでなく、微小なパターン寸法の変化を引き起こす場合があるため、マスクのパターンの微細化が進む次世代フォトマスクの量産対応に向けて、マスクパターンにダメージを与えることなく、フォトマスク表面に付着した微細な異物を除去することが可能な洗浄プロセス技術の開発が求められるようになってきていた。

SEMATECHでは、マスクブランクスの開発など、EUVリソグラフィへの対応に取り組んできており、今回の協業によりDNPは自社の技術者をCNSEのナノテク棟に派遣し、SEMATECHが推進しているプロジェクト「マスク・クリーン・プログラム」の技術者と共同で、EUVリソグラフィに対応したフォトマスクのパターン面ならびに非パターン面、さらにナノインプリントリソグラフィ(NIL)用テンプレートの洗浄能力を向上するための技術開発に取り組むこととなる。

具体的には、洗浄サイクルがフォトマスク表面やテンプレートのパターンへ与える影響を低減するために洗浄プロセスの最適化技術や、フォトマスクやテンプレートの表面に付着した微細異物を除去する技術の開発が行われる予定となっている。