米Googleは8月25日(現地時間)、固定電話や携帯電話に格安料金で電話をかけられる「Call phone」をGmail (US版)に追加した。音声コミュニケーション管理サービスGoogle Voiceと併用すれば、Gmail経由でGoogle Voice番号を用いた通話が実現する。
Gmailではすでにボイス&ビデオチャットを用いた音声コミュニケーションが可能だが、同機能では通話する双方がパソコン用ブラウザでGmailにサインインしている必要がある。相手が電話で受けられるCall phoneは、Gmailユーザーの音声コミュニケーションの幅を大きく広げるサービスになる。
Call phoneが利用可能になるとChatリストの中に"Call phone"が追加され、クリックするとキーパッドが現れる。ダイヤルキーを使わずに、コンタクトの検索で電話をかけることも可能だ。米国の2010年の通話料金レートは、米国内およびカナダへの通話が無料。日本への通話は固定電話が0.02ドル/分、携帯電話が0.11ドル/分となっている。
GoogleアカウントでGoogle Voiceを利用していれば、Gmailからかけた電話にはGoogle Voice番号が表示される。またGoogle Voice側でGoogle Chatにも転送するように設定すると、Google Voice番号にかかってきた電話をGmail内で受けられる。
GoogleのソフトウエアエンジニアRobin Schriebman氏によると、Google社内でのテストではレストランの予約のような手短かなコミュニケーションから、携帯電話がつながりにくいビル内や地下など様々な場面でGmailのCall phoneが役立っているという。
Call phone機能は現在、米国のGmailユーザーを対象にロールアウトが行われている。Schriebman氏は米国以外の地域への展開の可能性にも言及しているが、具体的な時期は示していない。Call phoneにはユーザー数の多いGmailを土台に、インターネット電話サービスで先行するSkypeとの差を縮めるという狙いが見え隠れする。Google Voiceと組み合わせてこそサービスが実用的になるため、これをきっかけにCall phoneだけではなく、Google Voiceと組み合わせたグローバル展開を期待したい。