アビームコンサルティングは8月25日、イスラエルPanayaとパートナー契約を締結し、SAPシステムのメンテナンスツール「Panaya」を活用したTCO削減ソリューションサービス「SAPシステムTCO削減Solution powered by Panaya」の提供を開始することを発表した。

Panayaは独自のコード解析技術を採用した、クラウドコンピューティング型の調査/分析ツール。SAP ERPシステムをアップグレードやメンテナンスした場合、どの程度の影響が生じるかといったことを事前に調査し、影響を受けるプログラムの特定や適切な修正方法の提示、テスト範囲の抽出などを行う。

今回の新サービスにおいてアビームは、同社のSAP運用/導入ノウハウにPanayaを組み入れて顧客に提供する。これによりアップグレード/メンテナンスにおける工数の大幅削減を図りたいとしている。

サービスのラインナップとしては、

  1. SAP ERP 6.0へのアップグレード
  2. SAP ERP 6.0へのサポートパッケージ適用

の2つがあり、1のアップグレードサービスではPanayaを用いて、プログラムの修正箇所や単体テスト範囲を自動的に分析する「事前調査フェーズ」、自動調整を含む修正方法を提示する「調整フェーズ」、テスト範囲の絞り込みによるテスト省力化を実現する「テストフェーズ」といった作業を行う。これにより、通常のSAPアップグレードプロジェクトの工数に比べ、30 - 50%削減できるという。2のサポートパッケージ適用サービスにおいても、1と同様のフェーズを経ることで工数を大幅に削減する。

アビームの提供するサービスでは、Panaya適用でSAPアップグレードの工数を最大50%削減できる

SAP ERPは旧バージョンの保守期限が迫っていることもあり、SAP ERP 6.0へのアップグレードビジネス市場はここ数年、大きく拡大すると見られている。クラウドソリューションであるPanayaは、海外拠点におけるシステムアップグレードにも多くの実績を残しており、今後の需要増が見込まれるとされる。