米Zebra Technologies(以下、Zebra)は、CEOのアンダース・グスタフソン氏と、アジア・パシフィック地域のプレジデントであるアンドリュー・テイ氏が来日し、日本向けの戦略説明会を都内で開催した。
Zebraは、バーコード・ラベルプリンタ、レシートプリンタ、プラスチックカードプリンタ、RFIDスマートラベルプリンタなどの特殊プリンタを製造・販売する世界有数のメーカー。2010年第2Qの売上高は235,735,000ドル(US)で、昨年同期比で25.6%増と好調に売リ上げを伸ばしている。アンダース・グスタフソン氏は、「我々の製品はFotune500社の90%以上の企業で利用されており、豊富な製品群と幅広いチャネル・パートナーによる製品戦略が我が社の強み」と説明する。
また同氏は、生産拠点を米国から中国に移すことにより、3,000万ドル(US)のコスト削減を図ったほか、アクティブRFID企業など4社を買収し、ソリューション事業も手掛けるなど、順調に成長している点も強調した。そして今後は、ブラジル、インド、中国、ASEAN地域などの新興市場での地理的拡大、政府機関、医療、モビリティ、セルフサービスなどの成熟市場における産業別マーケットの拡大、独立系ソフトウェアべンダーとのパートナーシップの強化という成長戦略を実施していくという。
日本においては、1998年から事業を開始しているそうだが、日本での知名度は世界シェアほどは上がっていないようだ。アジア・パシフィック地域のマネ―ジャーも「日本でゼブラといえばボールペン」と冗談を飛ばす。アンドリュー・テイ氏は、日本のしくみの特殊性を認めた上で、とりあえず学習ことから始めると慎重だ。同社は、顧客への直接販売はせず、パートナー経由の販売のみのため、今後の売上拡大には、パートナーの開拓が重要になる。
アンドリュー・テイ氏も、日本ではまず、チャンネル・パートーのリクルートに注力すると語る。現在、大手企業と交渉中ということで、アンダース・グスタフソン氏は、契約が完了したら改めてアナウンスすると語り、交渉が大詰めを迎えつつあることをうかがわせた。パートナーの開拓では、「PartnersFirst」と名付けられた、チャネル・パートナーの表彰と褒賞を目的とした提携プログラムを実施する。このプログラムでは、Zebraへの貢献の度合いに応じて、収益向上、教育、市場開拓を支援する優遇措置を適用する。
また日本では、特に物流、小売り、政府機関、医療分野に注力し、トレーニングによるチャネル・パートナーへの技術移転、ケース・スタディおよび模範的実技をパートナーやユーザーと共有、大口の戦略顧客へのダイレクトなアカウントマネジメントなどを行い市場開拓を図るという。そして、アンドリュー・テイ氏は、現在11%程度のアジア・パシフィック地域での収益比率を、5年後に15%まで伸ばしたいと述べた。