NTTデータは8月20日、ビジネスインテリジェンス(以下、BI)分野において、これまで培ってきた独自の方法論や業務別BIソリューションなどの取り組みを体系化するとともに、体制を強化することを発表した。

同社は1997年からBIへの取り組みを開始し、DWHアプライアンス製品やBIツールの販売、OLAPやデータマイニングといったコンポーネント要素技術の整備、データ分析技法やビジネスモデリング技法といった独自の方法論(メソドロジ)の整備、グローバルSCM業務別アプリケーションの整備を行ってきた。今回、これらを体系化した。

NTTデータ 技術開発本部 ビジネスインテリジェンス推進センタ センタ長 中川慶一郎氏

技術開発本部 ビジネスインテリジェンス推進センタ センタ長の中川慶一郎氏は、「BIツールによる見える化や分析は進んでいるが、これだけではBIとして不十分だ。BIによって変革を起こすことが大切。当社が提供するBIサービスは業務、システム、人・組織の面から業務やサービスをデザインし、変革を実現する」と説明した。

同社のBIサービスは「業務別BIソリューション」「独自に開発したメソドロジ」「コンポーネント要素技術」「IT基盤」という要素から構成される。これらのうち、「最大の特徴と言えるのは独自のメソドロジ」と同氏。

NTTデータが提供するBIサービスの概要

具体的には、見える化をはじめとした集計型のBIの業務デザインのためのBIシステム技法(上流編)」、統計・データマイニングなど高度なBIを活用した業務デザインのためのデータ分析技法「BICLAVIS」が組み込まれている。

BICLAVISは、同社がこれまで実施してきた200以上のデータ分析事例をもとに、分析シナリオを「評価・要因分析型」や「予測・制御型」など、9つに類型化(サブ類型も含めると13シナリオ)し、データ分析技法として体系化したもの。

同社はこの9つのシナリオを4タイプのBIによって提供していく。4タイプのBIとは、「集計分析型BI」「発見型BI」「WHAT-IF型BI」「プロアクティブ型BI」だ。

同氏は「集計分析型BI」「発見型BI」は現在広く利用されている代表的なBI、「WHAT-IF型BI」は業務の高度化を実現し、「プロアクティブ型BI」は知的サービスを実現すると説明した。WHAT-IF型BIとプロアクティブ型BIが変革を牽引するものとして、BICLAVISが適用される。

NTTデータが定義する4つのタイプのBI

また同社は独自にBIの成熟度モデルを定義しており、このモデルに従って、4つのBIと情報分析と活用のためのシナリオを提供する。

NTTデータが定義するBIの成熟モデル

今後同社は、WHAT-IF型BIとプロアクティブ型BIに対応した業務別BIソリューションへ注力するとともに、今年度中にBIサービスに関する体制をNTTデータグループ全体で約600人に強化していく。