電子メールが日々の仕事ツールになっている身からすればショックな話だが、"イマドキ"の若者にとって電子メールは「非常に遅い」ツールであり、ほとんど使われていないという。そんな自戒を込めた最近の若者ポップカルチャーの傾向をまとめた「Mindset List」の最新版が米ベロイト・カレッジから出されて話題になっている。

Beloit College Mindset Listとは、その年に入学してくる"フレッシュマン"らを受け入れる大学関係者らに、最近の若者文化を紹介する(正確には「カルチャーショックに備える」)ための覚え書きだ。1998年にシカゴ近郊の都市である米ウィスコンシン州ベロイトにある同大学のRon Nief氏とTom McBride氏の共同執筆でスタートした試みで、今年は2010年秋入学の学生で、2014年卒業予定者を対象にした「Mindset List for the Class of 2014」となる。

冒頭のように今年は電子メールについての記述があり、「2. Email is just too slow, and they seldom if ever use snail mail.」となっている。つまり電子メールは連絡手段としては遅いうえ、使ったことさえほとんどないというのだ。では代替手段はといえば、SMSのいわゆる"テキスティング"と呼ばれるショートメッセージであったり、SNSなどの特定のフレンドとのコミュニケーションツールとなる。特にテキスティングについては社会問題化しており、ドライブ中のメッセージ送信を行うことで事故の危険性が高まったり、日に何十 - 何百ものメッセージをやりとりすることで腱鞘炎などの障害を引き起こすなど、限度を知らないティーンエイジャーならではの現象がたびたび報告されている。

このほかの注意書きとしては「草書体(筆記体)が書ける若者はほとんどいない」「"キャラメルマキアート"と"ヴェンティ・ハーフカフ(ハーフカフェイン)・バニララテ"という外国語を覚えておこう」「クリント・イーストウッドはダーティ・ハリーではなく繊細な監督だ」など、日本でもお馴染みのカルチャーギャップを感じるキーワードがいくつか並んでおり、興味ある方は軽い気持ちで読んでみると「クスッ」と笑えるかもしれない。また「"西"を目指せというのは米国西海岸ではなく、海を突き抜けて"アジア"へ行くことを指す。さらに中国語を学ぶことだ」などという覚え書きもあり、世相を反映しているといえるだろう。