世界貿易機関(WTO)は8月16日(スイス時間)、欧州連合(EU)に対し、プリンター複合機など3品目に課す関税はWTO協定に違反しているとする決断を示した。日本、米国、台湾の主張を支持するもので、EUの回答が待たれる。
今回の判断はWTOの紛争解決機関のパネルによるもの。EUがプリンター/FAX/コピーなどの複合機、パソコン用液晶モニター、セットトップボックス(STB)の3品目に課す関税は協定違反、とした。
WTOは情報技術製品の貿易障害を取り除くことを目的に「情報技術製品の貿易に関する閣僚宣言」(ITA:Information Technology Agreement)を提唱、EUもこれに加盟している。日本、米国、台湾の3カ国は、EUがITA対象外としてこれら3品目に高い関税を課していることを不服とし、2008年にWTO内の紛争解決機関会合にてパネルが設置された。
外務省の資料によると、EUは、デジタル複合機はコピー機、液晶モニターはビデオモニター、STBをビデオ機器と分類し、それぞれ4%、14%、13.9%の関税を課しているという。
EUは今回のパネルの決断に異議を唱えることができる。