ミック経済研究所は8月16日、「データセンターの消費電力とグリーンIT化の実態調査 2010年度版」発刊に伴い、調査結果の概要を公表した。

同調査は、主要参入企業28社に対する面接取材や資料による調査(11社)をとりまとめたもので、同社によると市場の調査カバー率は65%とされる。

それによると、2009年度の国内データセンター市場は1兆3000億円となったことが判明。今後はさらに年平均9%で伸張し、2014年度の市場規模は1兆9820億円に、2015年度には2兆円に達すると予測されている。

一方で消費電力の増加率については、改正省エネ法や東京都環境確保条例などの法規制を背景に、「今後、年平均7%で増加する」と、市場の伸張率よりは低く推移するという見込みが示されている。

データセンター市場、消費電力量、延床面積の推移予測(資料: ミック経済研究所)

また同調査では、国内データセンターの地域別比率(延床面積ベース)も明らかにされており、首都圏だけで7割強を占める結果となった。

今回の調査では、2010~2012年度に国内で新設予定とされる17の次世代データセンターの地域別比率も示されており、こちらは首都圏が8割近くを占め(78%)、そのうち東京が半数以上(55%)という内容になっている。

同社は「クラウドビジネスを追い風に更に高まっており、データセンター市場は着実に拡大している」という見解を示すとともに、「次世代型のデータセンターにおけるPUE(Power Usage Effectiveness : 電力使用効率)は1.5以下がほとんど」と指摘。そのポイントになる要素として「気流制御と外気取入」を挙げている。

2010~2012年度建設の17データセンター地域別延床面積比率(資料: ミック経済研究所)