宇宙航空研究開発機構(JAXA)の情報センターである「JAXA i」が置かれている東京・丸の内オアゾにて、6月13日に地球帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」が地球に届けたカプセルのヒートシールドなどの展示を中心としたイベント「JAXA i サマーウィーク」が8月15日より開催されている。
初日となる15日にはカプセル関連の展示を見るための(再整列時間が明記された)整理券を1万枚以上用意、7時の時点ですでに行列は1800名に達し、オアゾに入りきれなくなった列が同ビルをぐるりと取り巻くように出来上がった。
整理券配布待ちの列はオアゾから外に出て、ぐるりとビルを取り囲むように形成された |
||
左は列の最後尾を示すボード。多くのスタッフがはやぶさTシャツを着てあちこち走り回っていた。右は実際に筆者が並んでもらった「整理券」で、この表記の時間帯に集合場所に集まり列を形成しなおすという形となっている |
JAXA i サマーウィークの目玉は"はやぶさ”のカプセル展示が行われているはやぶさ応援ありがとうイベント「おかえり、はやぶさ」であるが、その他にもキッズイベントやトークイベントなども実施されるのは既報のとおりではあるが、もう1つ、ビル側の計らいでオアゾ5F、6Fのレストランゾーンに特設ギャラリーが設置され、はやぶさの7年間の旅路をCG作品や写真などを通じて見ることが可能となっているほか、オアゾの各フロアおよび近隣の丸ビル、新丸ビルのショップやレストランなどでも「おかえり、はやぶさ記念特別サービス」と題し、はやぶさ限定ショートケーキや、カフェセット、そばセットなどが販売されており、近隣を含めた丸の内全体でイベントを盛り上げようという雰囲気を感じることができる。
この日、一番初めに並んだ人はなんと、夜中の1時。JAXA iの入居しているオアゾは夜間、防犯上などの関係から閉鎖されてしまうため、朝5時まで同ビルの外に待機してもらっていたとのこと。
整理券をもらった後は、書かれた時間にこのボードを持っているスタッフの場所に集合して整列する |
スタッフから来場記念グッズを受け取っているのが一番最初に並んだ男性 |
来場記念グッズははやぶさのクリアホルダとポストカード |
初日展示されたのは前面とおよび背面のヒートシールド、インスツルメンツモジュール、エンジニアリングモデルの4点。このうち、前面/背面ヒートシールドは16日までの展示なので、相模原、筑波と見に行けずに、それでも興味があるという人は是非、といったところ。ちなみに、全国各地の博物館などでの巡業展示も噂されているが、これらの展示物は窒素が充填された保存ケースにて展示されており、それらを運ぶためにはそれなりの業者が行う必要があるほか、展示機関の警備費用などを主催者側が負担できることが前提条件となるため、国や地方自治体などが即時執行可能な特別予算でも出してくれない限り、巡回できたとしてもかなり限られた場所での展示となる可能性が大きい。また、これらの実際にイトカワまで行って帰ってきた品々は日本の宇宙科学技術の最先端なものであり、技術的な意味合いでも重要度が高く、展示が終われば技術調査のための分解や調査などが行われる予定であるため、いつ見れなくなるか分からない点に留意しておく必要があるだろう。
なお、17日からは前面/背面のヒートシールドの展示が終わる代わりに、はやぶさのカプセルに搭載された電子機器部が展示されるので、15、16日と赴いた人も機会があれば、再び見に行っても良いだろう。
初日の来場者の内訳としては、若い男性が多いような印象も受けたが、年配のご夫婦や男の子、女の子関係なしに子供づれの親子、女性1人での来場などもかなり見受けられた。
来場者数は8時の公開スタート時より順調に伸び、15時の時点で整理券配布枚数は6600枚程度となり、実際の来場者は5800名を突破。この時点では、朝出来た長蛇の列もほぼ掃けた状態となっており、整理券をもらったらすぐに並んで、少し待てば見ることができる状態になっていた。
15日の最終的な来場者数は予想の1万人よりも若干少ない8434名だったとのことなので夕方には楽に見られた(開場時間が20時までということも、来場者が分散して短時間で見やすくなった理由だと思われる)というわけで、それを踏まえるとお盆休みも終わる16日以降は、平日ということも併せてさらに来場者が減ることが予想されるので、カプセルを見たい人で、もし時間の余裕があり、待ちたくないという人は、ちょっと遅めの時間にいくと、意外とすんなり見れることができるかもしれない。