経済産業省は8月11日、「次世代エネルギー・社会システム実証」の対象地域に選定されている4地域(横浜市、豊田市、けいはんな学研都市、北九州市)から提出されたマスタープラン(基本計画)をとりまとめ、事業が本格スタートすることを発表した。

「次世代エネルギー・社会システム実証」は、政府の新成長戦略「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」におけるスマートグリッド構築、海外展開を実現するための取り組みとして位置付けられているもの。

電気の有効利用や再生可能エネルギー、交通システム、市民のライフスタイルの変革といった要素を複合的に組み合わせて、地域単位で次世代エネルギーや社会システムの構築を目指した実証実験を行う。

横浜市では、みなとみらい21エリアや港北ニュータウンエリア、横浜グリーンバレーエリアで市民参加を募ったうえで大規模なエネルギーマネジメントを実施。

豊田市では、住宅に対して太陽光発電や燃料電池、ヒートポンプ、蓄電池、次世代自動車を導入し、6割超となる消費エネルギーの自給やCO2削減の最大化を目指す。

けいはんな学研都市(京都府)では、家庭とビル、電気自動車をネットワークによって連携させ、エネルギー利用効率の向上や再生可能エネルギー活用の最大化を目指すほか、「オンデマンド型電力マネジメントシステム」や「電力カラーリング」といった先進技術の適用を目指すとされる。

北九州市では、工場群の廃熱や水素の民生利用を図るほか、建物どうしでの電力の融通や、エネルギーの需給状況に応じた電力料金の変動(ダイナミックプライシング)、家電機器などの制御を実施する。

なお、この実証実験は民間企業などとの共同事業となっており、横浜市(「横浜スマートシティプロジェクト」)の場合は、同市のほかにアクセンチュア、東京ガス、東京電力、東芝、日産自動車、パナソニック、明電舎などが参画することになっている。

実証対象地域の1つである横浜市(「横浜スマートシティプロジェクト」)が目指す将来像(イメージ)