National Semiconductor(NS)は、40dBまでのダイナミック・レンジと高精度を実現した新リニアRMS(Root Mean Square:2乗平均平方根)RFパワー・ディテクタ「PowerWise LMH2120」を発表した。
同製品は、第3世代(3G)および第4世代(4G)の携帯電話の通話エリア拡大とバッテリ寿命延長の実現を目指したもので、RFパワー・アンプ(PA)を正確に計測し、それにより、送信電力を制御し、隣接信号による干渉を防止することが可能。-40℃から+85℃の全温度範囲にわたって安定した性能を提供するとともに、1900MHz時に40dBのダイナミック・レンジにわたり温度のバラつきを+/-0.5dBに抑えており、ガード・バンドを最小化することが可能だ。これにより、通話エリアの拡大とサービス品質の向上が可能になり、携帯電話基地局から遠距離のエリアでも高速の送信データレートを実現することが可能となる。
また、W-CDMA、UMTS、LTE、GSM、GPRSなどの携帯電話標準を採用したマルチモード携帯電話やデータ・カードの変調方式に対応、変調方式の種類に左右されず、計測エラーを0.3dB未満に抑え、高精度実現に必要とされる広範なルックアップ・テーブル(LUT)を不要にすることができる。さらに、計測していない期間の消費電力を低減するシャットダウン・ピンを内蔵しており、携帯電話のバッテリ寿命を延長することが可能だ。
加えて、2.7V から5Vの単一電源で動作、RF入力パワーにdBm単位で比例した出力電圧を提供する。これにより、キャリブレーションの必要性を最小限にし、システム内のA/Dコンバータ(ADC)の所要分解能を低減することが可能となる。
電源電流は2.9mAで、低消費電力シャットダウン・モードを備えており、シャットダウン時の消費電力を3.8μAに低減することが可能。RFパワー検波範囲は-35dBmから+5dBmで、50MHzから6GHzの周波数をサポートしている。
なお、同製品はすでに0.82mm×1.22mmの小型6ピンmicroSMDパッケージで出荷が開始されており、1,000個一括購入時の価格は2.40ドルとなっている。