ビーブレイクシステムズは8月9日、システム業界における景気動向をまとめたレポートを発表した。同社は自社で手がけたシステム案件などをもとに現場の目線で分析したシステム業界の景気動向を定期的に発信している。
同レポートによると、システム業界全般については「7月以降、開発案件は増加傾向にある」とされており、ユーザーのコスト意識は依然として高い状況ながらも、契約の延長が各所に見られ、「全体的には好調」という見解が示されている。
ただし、IT市場を牽引してきた金融業でのIT投資意欲が減退しており、「保守開発プロジェクトにおいて、コスト削減を図るためにエンジニアの契約を終了した取引先もある」としている。また、製造業でのIT投資も引き続き減少傾向にあるという。
一方で、同レポートでは、顧客企業から明確な予算額が提示された上でのコンペ案件が増えつつも、「業務管理システムの導入を検討する企業が増えている」としており、システム導入に対する関心は高まっているとされている。
また同社は、「携帯アプリのスマートフォン対応案件が増加している」としており、iモードなどの携帯アプリやSNSなどのサービス提供・開発を行う企業が、既存コンテンツをスマートフォンに対応させることに高い関心を示しているという状況を明らかにしている。同社はこの点について、「これらの企業では、スマートフォンアプリのノウハウが自社にないため、現在は開発を外部に頼っているが、発注を通じて自社内にノウハウを蓄積させる狙いもある」と分析している。
なお、同社は今回のレポート発表と同時に、参考情報として自社のエンジニアに対して実施した「技術者たちの関心事」というアンケート調査の結果を公表した。
これによると、「ソフトウェア技術の流行キーワード」は、クラウド、スマートフォン/OS各種、GWT(Google Web Toolkit)という結果になっている。また、「ソフトウェア技術において、何度でも読んでしまう(記事や書籍などの)キーワードやテーマ」については、「クラウド」「Twitter」「Android」「Eclipse」「Hibernate」「Spring」「セキュリティ」「パフォーマンス」「Java」「Scala言語」「Chrome OS」「GWT」「AR(現実拡張)」「画像解析」という回答があったとされている。