Microchip Technologyと米Semtechは、安全性が高く低消費電力で、複数の周波数帯をサポートするRKE(Remote Keyless Entry)用のターンキーリファレンスデザインを発表した。
同リファレンスデザインはSemtechの提供する送信機とトランシーバに、MicrochipのPIC MCU上で動作するKEELOQコードホッピング技術を組み合わせたものである。このキットは車載やオフィスビル/家庭などにおける低コスト/高性能なRKEシステムの迅速な開発と、1つのプラットフォームで複数の主要な周波数レギュレーションへの対応を狙ったものになる。
RKEリファレンスキットは、MicrochipのKEELOGが動作するSemtechの「SX1230」送信器にMicrochipの「PIC16F631」ないし「PCI16F677」8bit MCUが搭載される送信側ボードと、同じくKEELOGが動作するSemtechの「SX1211」もしくは「SX1212 ISM(Industry-Science-Medical)」トランシーバに「PIC16F631」ないし「PCI16F677」が搭載された受信側ボードで構成される。
SX1230はマルチバンドISMトランシーバで、主要な国の電波レギュレーションに合致している。このトランシーバは315/434/868/915MHzの免許不要なISMバンドを利用し、ナローバンドからワイドバンドまでさまざまなアプリケーションにあわせて構成可能であり、ダイナミックプログラミングも可能である。周波数変調はFSK/GFSK/MSK/GMSK/OOKに対応し、1.8V~3.7Vの電源電圧で最大600Kbpsで送信可能である。+10dBmの出力時の消費電流は30mA、スリープ時の消費電流は500nAで、出力は+17dBmから-20dBmまで1dBステップで変更できる。
SX1210/1211/1212/1213ファミリはピンコンパチブルで、300MHz~510MHzと863MHz~960MHzまでの周波数に対応する。このファミリは150Kbpsで受信時の消費電力は3mA未満となっている。
PIC16F631(1.75KB Flashと128Bytes EEPRON)およびPIC16F677(3.5KB Flashと256Bytes EEPRON)は、20pinで8bitのPIC MUCでパッケージは4mm角のQFNである。8MHzの内部オシレータの他2つのコンパレータと最大12ch 10bit A/Dコンバータ、それとプログラマブル電圧リファレンスを搭載する。動作電圧は2V~5.5Vであり、さまざまなリセットおよび省電力オプションを搭載する。
なお、リファレンスキット「SX1230-13RKEA433」はSemtechよりすでに入手可能となっている。また、Semtechは設計支援(この中にはフィールド/ファクトリベースも含まれる)も提供している。