Wolfson Microelectronicsは、低消費電力ステレオ・オーディオハブ「WM8962」を発表した。すでにW-CSPもしくは49-ピン3.6mm×3.9mmパッケージでサンプル出荷中となっている。
同製品は、柔軟性の高いアナログ・ミキシング機能、複数のオンボード・クロックジェネレータ、高性能A/DコンバータおよびD/Aコンバータを搭載、複数のアナログおよびデジタルマイクに対応しているため、さまざまな民生用電子機器アプリケーションにおける各種の使用ケースをサポートすることが可能だ。
また、オーディオ品質を向上させるDSPを内蔵しているほか、複数のプリセット・アルゴリズムを搭載している。Virtual Surround Sound は、ステレオ・スピーカにおけるオーディオのイメージを拡張させ、より豊かなリスニング体験を実現することができ、HD Bassは、低域の信号をインテリジェントにエンハンスさせることが可能となる。DSPの活用により、このような小型スピーカでは再生不可能な低域の信号を増加させずに、小型スピーカで再生可能な帯域の信号をブーストさせることが可能となる。
さらに、「ReTune」によりスピーカまたはマイクの信号パスの周波数レスポンスをフラットにし、トランスデューサの性能を最大化できる。このコンフィギュラブルDSPは、録音用の3D拡張機能、5バンドのパラメトリック・イコライザ、ダイナミック・レンジ・コントローラなどの機能を集積している。
加えて、チャージ・ポンプおよびグランド・リファレンス出力を集積しており、DCグランド・オフセットの除去とポップ音およびクリック音の最小化を実現しながら、効率と消費電力の最適化が可能となるクラスW低消費電力ヘッドホンドライバを搭載しているほか、ステレオ・クラスDスピーカドライバも搭載、5V電源で8Ωの負荷にはチャンル当たり1Wの出力、4Ωの負荷にはモノラルで2Wの出力を提供することが可能だ。さらに高い電源電圧変動除去比(PSRR)、ポップ音およびクリック音抑制メカニズムにより、スピーカ電源へ直接バッテリを接続することも可能となっている。