STMicroelectronicsは、2個のARM Cortex-A9コアとDDR3メモリインタフェースを組み合わせた組み込みマイクロプロセッサ「SPEAr1310」を発表した。すでにユーザー評価および試作向けにサンプル出荷を開始している。

同製品は、同社の低消費電力55nm HCMOS(高速CMOS)プロセス技術を採用、ARM Cortex-A9コアとネットワーク・オン・チップ(NoC)技術を組合わせたデバイスとなっている。

SPEAr1310の機能ブロック図

通信およびコンピュータ周辺機器、産業オートメーションなどの市場セグメントにおける組込制御アプリケーションを対象としており、デュアル・コアであるARM Cortex-A9は、3000DMIPSに相当する600MHz/コア(ワースト条件)で対称動作と非対称動作をサポート。NoCは、データ処理能力を最大化すると同時に、多くの異なるトラフィック・プロファイルを実現する柔軟な通信アーキテクチャを採用している。

また、ギガ・イーサネットMACに加え、DDR2/DDR3の統合メモリ・コントローラとフル・セットのコネクティビティ周辺機器(USB、SATA、PCIe(PHY内蔵)など)を備えている。

さらに、ハードウェア・アクセラレータおよびI/Oブロックとのキャッシュ・メモリ整合性により、データ処理能力が向上、ソフトウェア開発の簡略化が可能だ。アクセラレータ・コヒーレンス・ポート(ACP)は、デバイスのNoCルーティング機能と併せて、ハードウェア・アクセラレーションとI/O性能に対するアプリケーション要求をサポートする。加えて、DRAMとL2キャッシュ・メモリにおけるソフトおよびハード・エラーに対するECC(誤り訂正コード)保護により、MTBF(平均故障間隔)が改善、信頼性向上が可能となっている。