米Microsoftは8月4日(現地時間)、同社が米Salesforce.comに対して起こしていた知的所有権(IP)侵害訴訟で、両社が和解したことを発表した。今後両社はライセンス契約を結び、互いの特許ポートフォリオを利用できるようになる。金額などの詳細は不明だが、保有特許の力関係により、Salesforce.com側からMicrosoftへとライセンス料の支払いが行われると見られる。
同件は今年5月にMicrosoftがSalesforce.comに対して米ワシントン州西地区連邦地方裁判所に訴訟を申請していたもの。訴訟内容はバックエンドのサーバ通信やインタフェースに関するMicrosoftの保有する特許9件の侵害としているが、実際は基本特許に近いものと見られ、急速に勢力を拡大しつつあるSalesforce.comに危機感を抱いた同社が、狙い打ちで訴訟を仕掛けたというのが大方の見方だった。
米Salesforce.com会長兼CEOのMarc Benioff氏は、この訴訟が起こされるまでMicrosoft側からライセンス締結を迫る接触がたびたびあったことを公表している。先日行われたユーザーイベントでは、「Microsoftによる訴訟は一人前の企業として認められたようなもの」というコメントが発表されており、時代がクラウドに流れつつあることに自信を強めていた。