米Googleは8月4日(現地時間)、欧州での「AdWords」の商標ポリシーを変更し、広告主による他社商標の購入と利用を可能にすることを発表した。同社は今後も偽造品サイトの取り締まりを継続し、商標登録者は苦情を申し立てることもできるとしている。
これにより、広告主は他社の商標の検索キーワードの購入が可能となる。このポリシーは米国や日本ではすでに適用されているが、欧州では訴訟に発展した経緯から、これまで商標に対して厳格なポリシーを適用していた。
欧州での訴訟とは、Louis Vuittonなどの高級ファッションブランドを多数所有する仏LVMH Moet Hennessy Louis Vuittonが中心となって起こしていたもの。主としてブランド保護と偽造品対策を目的に、GoogleがFENDIなどの自社商標を他社に販売するのは商標権侵害と申し立てていた。欧州司法裁判所は2010年3月、Googleが商標を保有者以外の企業に販売することは商標侵害ではないとする判断を示した。
最新のポリシーは9月14日より、欧州主要国で有効となる。該当商標を含む製品やサービスの再販、関連する情報サイト、競合製品・サービスなどの広告目的で利用できるようになる。
Googleでは引き続き偽造品サイトの取り締まりを続けるほか、自社商標が他社に選択されたことで消費者が混乱していると感じた場合は苦情申し立てを受け付けるとしている。苦情があった場合、同社はこれを調査し、内容次第で削除する可能性もあるという。
同社は、最新のポリシーにより消費者は関連する広告を多く得られるという姿勢を見せているが、商標保有者は監視作業の負担が増えそうだ。